2017年から2018年頭にかけて仮想通貨で“億り人”の仲間入りを果たした投資家が続出した。なかでも界隈を盛り上げた投資家として知られるのが、「ゲス仮想通貨投資家」を名乗るニシノカズ氏。あっという間に億を超える資産を手に入れた氏は、昨年10月にマレーシアへ移り住んだ。国際税務のスペシャリストである柳澤賢仁氏による仮想通貨対談企画第2弾「ニシノカズ」編・第4回目のテーマは、「仮想通貨投資にかかる税金を合法的に減らす方法」…!?
柳澤 ただ、1つ問題があって、仮想通貨交換事業者にインセンティブがないんですよね。仮に金融庁から「源泉分離にしろ」と言われたら、システム改修の費用がかかってしまいます。だから、まずそこは置いておいて仮想通貨同士の交換については課税の繰り延べを可能にし、法定通貨に替えた時点でのみ課税所得が顕在化するという税制にしてくれると、投資家の活発な取り引きが見込めるので、もっと取引所も税制改正に積極的になるかなと考えています。
ニシ あとは仮想通貨資産を持って海外に移住する際に出国税がかかるかもしれない、という議論もありますよね。
柳澤 それは多分、申告分離課税の議論とトレードオフの関係にあると思っています。現状の最大税率55%の総合課税を20%の申告分離課税にするから、代わりに仮想通貨資産は出国税の対象にする、というかたちになるのではと。株と同じ税率にするということは、「仮想通貨を税制上は金融商品に近づける」という意味合いがありますからね。税率55%なら海外移住したいけど、20%なら出国しないという人も増えるでしょうから、十分想定できる条件だと思います。
仮想通貨に「合法的な節税」の方法はあるのか?
ニシ そうなると、現状の税制でもっとも良い合法的な節税方法とはどういうものになるんでしょうかね?
柳澤国際税務会計事務所 代表
株式会社柳澤総合研究所 代表
税理士
慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程を修了後、アーサー・アンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て、2004年に独立。「大きくなったあのベンチャー企業も最初はフリーランスに近かった」「フリーランスのひとの中に明日のスーパースターがいるはず」と、日々、起業家やスタートアップ、ベンチャー企業、ビジネスモデルを研究し、積極的に情報発信を行っている。
独立後に支援したスタートアップのなかから2社のIPO(株式公開)が実現(2016年)し、現在も起業家の海外進出支援やビジネスモデル構築、ベンチャーファイナンス、M&Aなど幅広い分野で支援を行う。
ベンチャー三田会発起人。第30回(平成19年度)「日税研究賞」(税理士の部)を史上最年少(当時30歳)で受賞。主な著書に『お金持ち入門』(共著))、『資金繰らない経営』などがある。
グローバルビジネスや起業など、有益な情報満載の無料メルマガのご登録はこちらからどうぞ!
https://www.yanagisawa-accounting.com/vk/fmm/
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載仮想通貨×国際税務のプロフェッショナル/税理士・柳澤賢仁の「Crypto Currency」対談