「オーナー目線をもった支援会社」との協力を
ぼくたちは、コインランドリー支援業者の中では良心的であると自負しています。
例えば、管理運営代行費は毎月、一律5万8000円+パートなどの人件費です(税別)。パートの人件費を含むのは、ぼくたちの会社でパートを採用して派遣しているからです。
他社は毎月定額5万円にプラスして機械1台ごとに0円をプラスするとか、定額に別途売り上げの10%をプラスするというところもあるようです。
もちろん、ぼくたちも会社としてやっているので最低限の収益を上げることは必要です。しかし、本部目線の費用やガス代などに不要なマージンは乗せないようにしています。これは毎月の収支に関わってくるので、他社と比較検討される場合には、ぜひ確認してほしい点です。
マシンの修理代についても、メーカーが提示した金額の倍とはいいませんが、かなり上乗せしてオーナーに請求している会社があると耳にします。
ぼくたちも適正な利益はいただきます。しかし、オーナーのみなさんに満足してもらい、数年後にもう1店舗増やしてもらうほうがいいと考えているので、不信感を買うような費用は一切いただきません。
ぼくたちは自分でもコインランドリー事業をしていて、オーナーの気持ちが分かるからです。だから、オーナー目線でこの会社をやらせていただいているのです。
店舗は減価償却されるため、年数が経つほど評価額減
ぼくたちが勧めるスーパーマーケット立地のコインランドリー事業では、土地は借地です。そのコストは借地料(地代)で、毎年の経費になります。
また、店舗(建物+機器)も、金額的には機器が半分以上を占めます。これらは国税庁が定める財産評価基本通達で「一般動産の評価」にあたり、減価償却後の簿価がその時点での時価となります。
不動産でも土地については、路線価や公示価格で評価され、減価償却はありません。それに対し、コインランドリー店舗は減価償却されるので、年数が経つにつれ評価額が低くなります。例えば、購入時に3500万円(建物1200万円、機器2300万円)の店舗だとすると、15年後の簿価は246万円です(以下の図表参照)。
コインランドリー事業を始めて15年後、役員が退任するとしましょう。そして、この店舗(時価246万円)を退職金として現物支給するとします。すると、退職金への課税はゼロになるのです。
さらに重要なのは、コインランドリーはその後も収益を生み続けるということです。
これは退職金を支給する会社にとってもメリットがあります。減価償却がほとんど済んだ現物資産を渡すだけで、現金の支払いは不要です。その時点で会社にキャッシュがなくても、退職金を支給できるのです。
1億円の退職金を勤続15年の役員に支給するケースで比較してみましょう。
現金1億円を支給する場合、「1億円−40万円×15年」の2分の1に課税され、税額は2139万円(所得税と住民税)になります。15年前に1億円で購入したマンションであれば、時価評価額は4700万円程度であり、「4700万円-40万円×15年」の2分の1に課税され、税額は756万円(所得税+住民税)です。
これに対し、15年前に1億円(2.85件分)で購入したコインランドリー店舗は時価
評価額が701万円であり、「701万円(2.85件分)-40万円×15年」の2分の1に
課税され、税額はわずか15万円で済みます。
課税を抑えながら相続や事業承継に利用するなど、他にも使い方はいろいろ考えられるでしょう。収益を生む事業でありながら、一般動産として簿価評価されるという点が、コインランドリー事業投資における財務戦略での最大のポイントです。
「建物の減価償却」「マシンの特別償却」が可能に
以上は退職金を受け取る役員側のメリットに注目した話です。一方、企業にとっても、ランドリー事業を始めた段階で財務戦略上のメリットがあります。
コインランドリー事業への投資は、「中小企業経営強化税制」の適用が可能だからです。この制度を適用すると、建物の減価償却とマシンの特別償却が可能で、これを組み合わせると投資金額の70%の即時償却が可能になります(物件や投資タイミングによって65%から80%を超えることもあります。ただし、設備投資をする前に、経済産業局への申請が必要です)。
大きな利益が見込まれる場合、この制度を利用してコインランドリー投資を行えば、課税の繰り延べ効果が期待できます。
ただし、「中小企業経営強化税制」は2019年3月31日で終了する予定です(2018年4月時点)。2019年3月31日の時点でコインランドリーが稼働していないと適用が受けられません。コインランドリーの立ち上げには半年程度はかかるので、早めに取り組むことをお勧めします。
利回りは基本的に「10~15%程度」
投資資金の回収はどのように進むのでしょうか。初期投資4000万円として計算したのが下記の図表です。
[図表]投資回収後の増加資金(最終利回り別)
利回り7%とすると、回収に14.3年かかり、20年間の運営では1600万円の資金が増えます。マーケティングの効果などで利回りを15%にできれば、20年間の収益は1億2000万円、キャッシュは8000万円増えることになります。
店舗によって異なりますが、実際には10~15%程度になると思われます。