前回は、ハワイ不動産の購入に際し、申し込みから登記までの具体的な流れを説明しました。今回は、購入手続きの補足事項と価格交渉のポイントについて見ていきます。

まず、買主が「オファー」を出し「デポジット」を渡す

購入手続きの流れについて、いくつか補足しておきましょう。

 

日本では気に入った物件があればまず「買付証明書」という書類を売主に渡します。これは、買主として購入価格や引き渡し時期などについての希望条件を記載したもので、これをもとに売主と交渉するのです。そして、お互いの条件が一致すれば、売買契約を結ぶことになります。

 

これに対してハワイでは、買主が自分の希望する条件で売買契約書(案)をつくり、それに自分のサインをして売主のエージェントに渡します。これを「オファーを出す」といい、同時にデポジット(証拠金)も渡します。金額は50万ドルくらいの中古コンドミニアムで2000〜5000ドルと、日本よりかなり少ない金額です。

 

そして、売主がオファーの内容にすべて同意してサインすれば、その時点で売買契約が成立します。売買契約が成立した場合、デポジットは購入代金の一部になります。

 

一方、売主が買主のオファーに納得しない場合、契約書の内容を変更した上で、自分のサインをして送り返してきます。これを「カウンターオファー」といいます。

 

買主として同意する場合は、カウンターオファーにサインをして、その時点で売買契約が成立します。もし、買主として同意しなければ契約は成立せず、デポジットは返却されます。

交渉のポイントは「何のために売却するのか」という点

売主との交渉においては、「何のために売却するのか」という相手の事情が重要になります。売却するのは不動産をキャッシュに換えたいということが基本ですが、すぐキャッシュが必要かどうか、そのキャッシュを何のために使うのかなどで、交渉のポイントが変わってきます。 

 

現在、ハワイの不動産は値上がり傾向にあり、住宅ローンを利用するので「住宅ローン条項」(住宅ローンが借りられなかったら白紙解約にする)を入れるのであれば、売主の提示価格をそのまま受け入れるのが普通です。ただし、「ストレート・バイヤー」といって、自己資金ですぐ支払いができる買主であれば、ある程度、価格について交渉できるケースもあります。

 

一方、不動産が値下がり傾向にあるなど、マーケットが買主有利の状況であれば、指値(売り出し価格より低い価格を提示)して、さらに「住宅ローン条項」を入れてほしいと交渉することも可能でしょう。

 

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冨吉 範明, タカ 河野

幻冬舎メディアコンサルティング

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