登記システムは「レギュラー」「ランドコート」の二つ
ハワイには登記システムが二つあります。ひとつは「レギュラーシステム」、もうひとつは「ランドコートシステム」です。物件によっては両方を利用しており、そういう場合は「ダブルシステム」と呼ばれています。
「レギュラーシステム」は、不動産に関する権限(Title)に関する書面を登記所に登録するもので、登記所はその証書をコピーし、受け付け順にファイルします。その他、不動産の譲渡人と譲受人のファイルがあり、不動産の権限を調査する場合はこのファイルから過去の譲受人、譲渡人をたどっていくのです。このシステムは過去に登録された証書の内容をチェックするのには便利ですが、中間省略登記などのため権利移転が不明のケースもあり、それをカバーするのが権利証保険なのです。
もうひとつの「ランドコートシステム」は、土地ごとに公的機関が権利証書を発行するものです。1980年代までは「ランドコート」に登記すると、日本の権利書に似た用紙をもらうことができました。しかし、紛失する人が多いためか最近は買主に渡されることはなく、ランドコートがそのまま預かる形になっています。
どちらの登記システムを利用するかは、物件が最初に登記された時にどちらで登記したかによります。
登記システムが二つあるといっても、実際の手続きは同じ場所で行われ、窓口が左右に分かれているだけです。
ハワイでは「印紙税」「不動産取得税」は不要
購入時に売買代金以外でかかるものとしては、エスクロー会社に支払う費用と住宅ローンの手数料があります。
エスクロー会社に支払う費用は、エスクロー業務の費用の他、権限調査の費用、権利書作成の費用、登記の手数料、権利証保険の保険料などです。購入代金の1%前後が目安です。
住宅ローンの手数料は、ローン審査のための経費などで借入額の2〜2.5%ほどを銀行に支払います。また、複数の金融機関のローン商品を比較、提案してくれるモーゲージブローカーを通して借りる場合は、モーゲージブローカーへの手数料も借入額の1%ほど必要になります。
その他、コンドミニアムの管理費や敷地が借地の場合の借地料、固定資産税などは引き渡し日を基準にして精算します。
購入にあたって、日本では契約書に貼る印紙税や、都道府県に支払う不動産取得税がありますが、ハワイではこうした税金はありません。非常に有利なポイントです。
[図表]日本とハワイでの不動産購入時のコスト(売買代金以外)の比較