前回は、ハワイ不動産の購入において、契約書に記載する「取り決め」の具体例を紹介しました。今回は、日本と異なるため注意が必要な、ハワイ不動産の「所有形態」について見ていきます。

日本では「単独所有」「共有」程度の違いしかないが・・・

ハワイでは、不動産の所有形態が日本とはかなり異なるので、注意が必要です。

 

日本では、単独所有か共有かの違いくらいしかありませんが、ハワイでは主に4つの方法があります。

 

1.テナンシー・バイ・ザ・セブラルティー Tenancy by the Severalty

単独での所有権です。所有者が亡くなった場合、相続人が相続します。既婚者がこの方法で登記する場合、配偶者の名前をエスクロー会社の担当者に聞かれます。

 

2.ジョイント・テナンシー Joint Tenancy(with right of survivorship)

共有の一種です。何人でも一緒に共有できますが、権利の割合は平等です。特徴的なのは、共有者のうち誰かが亡くなった場合、残りの生存者に権利が自動的に移行します。例えば、5人で共有していて一人が亡くなれば、4人が4分の1ずつ所有することになります。そして、すべての権利者が死亡すればその時点で相続手続きを行います。

 

3.テナンシー・バイ・ザ・エンタイアティー Tenancy by the Entirety

夫婦が共同で所有権を持つものです。共有との大きな違いは、一方が亡くなった場合、自動的にすべての権利が残った配偶者に移行する点です。そして、すべての権利が一人の所有になった後、その一人が死亡すると相続手続きが必要になります。

 

4.テナンシー・イン・コモン Tenancy in Common

共有の一種です。複数の所有者の間で当初から権利の割合を明記します。共有者のうち誰かが亡くなった場合、その人が所有している割合分だけ相続人が相続し、他の生存者には影響はありません。また、自分の持ち分を他人に譲渡できます。日本では「共有」にあたる所有形態です。

多様な所有形態はアメリカの相続制度が生み出した!?

これらは日本人には理解しにくいのですが、もともと英米法の伝統によるもので、相続が大きく影響しているようです。

 

日本では被相続人が亡くなれば、その権利と義務は相続人に自動的に引き継がれます。遺産の配分は、被相続人の意思(遺言)か相続人の間の合意(遺産分割協議)によって行われ、相続人間でもめた場合は別ですが、比較的簡単に済みます。相続税の納付も、基本的に遺産をもらった各相続人が別々に行います。

 

これに対し、アメリカでは相続税は基本的に相続財産そのものにかかります。そのため、相続手続きを行うには、弁護士、会計士、不動産鑑定士などに必要書類をつくってもらい、プロベートコートと呼ばれる、裁判所の管理のもと、相続財産の内容や相続人の調査、相続財産に関する負債や遺産税の支払いを行います。

 

こうした手続きが終了し、プロべートコートが財産分配の許可を出してはじめて、相続人は残余財産を受け取ることができるのです。その費用は相続額の5〜10%、最低でも1万ドルかかるといわれます。また、すべての手続きが完了するまで1〜2年かかります。

 

そこで、権利者が亡くなっても相続手続きなしで不動産の権利が引き継がれるタイプの所有形態が設けられたのではないかと思われます。

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