前回は、相続争いが起こると税務調査が発生しやすくなる理由を見ていきました。今回は、税務調査が入りやすい人の特徴を取り上げます。

3000万円以上を相続すると、税務調査が入りやすい

税務調査が入る確率は、統計的には22%です。

 

相続税の申告が必要なかった人や、特例を適用したため納税額はゼロで済んだが、申告義務があるので一応申告だけしたという人には、基本的に調査は来ません。また、相続税はかかったが少額で済んだ、という人にも入る可能性は低いでしょう。たとえ調査で指摘したとしても、たいした税額を追徴できないからです。

 

では、調査が入りやすいのはどのような人でしょうか。具体的には、相続税の税率が20%を超えている人には、調査が入る可能性があります。相続税の税率については図表を参考にしてください。

 

[図表]相続税の税率表

 

税率が20%を超えている人とは、基礎控除分を除いて、3000万円以上を相続した人です(正確には実際の相続額ではなく、法定相続分に応ずる取得金額で計算します)。

申告漏れの額が同じでも「税率」が違えば・・・

相続税の税率表を見てみると、たとえば、基礎控除額を除いて6億円相続した場合、税率は50%になります。そういう人は調査の心配をしたほうが良いでしょう。

 

調査官からしたら、1000万円の申告漏れが見つかったとして、税率が10%の人からは100万円しか取れませんが、50%の人であれば500万円取れるので、税率の高い人を調査したほうが、断然効率がいいのです。

 

本連載は、2017年12月刊行の書籍『相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください

相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル

相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル

岡野 雄志

幻冬舎メディアコンサルティング

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