ビジネス領域で活用が進む中、さまざまな課題も浮上
ブロックチェーンは、完成されたものではなく、日々進化しています。インターネット以来の大変革と期待されるなか、ビジネス領域で積極的に活用が進む過程で、さまざまな課題が浮かび上がってきています。
例えば、システムの柔軟な拡張性の担保、データプライバシーの強化、インターネット依存性の解消などです。これらの課題は、そもそものブロックチェーンのウィークポイントであり、エネルギー業界に限ったことではありません。
巨額の投資と研究者の努力により、課題の解消は進む
非常にテクニカルな話題ですので、詳細について本連載では触れませんが、これらの課題を解決するために政府や金融機関、世界の有数のIT(情報技術)企業が集まり、日々研究を進めています。
[図表]世界の主要なブロックチェーン開発プロジェクト
具体的には、ブロックチェーンをより広範囲なビジネスで活用できるようにと世界規模での研究団体が設立され、数千億円規模での巨額の資金が課題の解決のために注がれています。楽観的すぎると思われるかもしれませんが、2030年ごろには、現在指摘されている課題の多くは解決していると考えています。
なぜなら、インターネットも1972年に通信プロトコルのTCP/IPが誕生してから、たった45年で信じられないほどの進化を遂げたからです。当時は、この新しい通信手段で世界中の人々がつながるとは誰も思っていなかったでしょう。
しかし、1990年代に誰でも簡単に利用できるメールソフトやインターネットブラウザが誕生し、2000年代には、世界レベルでの光ファイバー網が普及しました。今では、外出中にスマートフォンで動画がタダ同然で見られるまでに発展しています。
同じくブロックチェーンのウィークポイントも、世界規模での巨額の投資と研究者の努力により日進月歩で解消されていくでしょう。