簡易宿所の候補物件・・・「用途地域」等はどう確認する?

2018年6月に施行される民泊新法で注目を集める「宿泊不動産投資」。本連載は、全国民泊同業組合連合会 理事・大神麗子氏の著書、『買わない不動産投資 ドル箱 宿泊所』(みらいパブリッシング)より一部を抜粋し、新しい時代の「簡易宿所(かんいしゅくしょ)」投資のための、物件取得の具体的な方法をレクチャーします。

「用途地域」については役所の都市計画課で確認

①用途地域

 

まずは取得したい物件の「用途地域」を調べる必要があります。旅館業が申請可能な地域とそうでない地域があります。土地利用のための「用途地域」というものが決められており、住居、商業、工業など12種類あります

 

【用途地域】

●第一種低層住居専用地域

●第二種低層住居専用地域

●第一種中高層住居専用地域

●第二種中高層住居専用地域

●第一種住居地域

●第二種住居地域

●準住居地域

●近隣商業地域

●商業地域

●準工業地域

●工業地域

●工業専用地域

 

用途地域によりそれぞれの目的に応じて建てられる建物の種類が決められています。用途地域については役所の都市計画課で確認できます。また、インターネットでも簡単に調べることができます。

http://www.geocities.jp/otumy2525/youtotiiki.html

 

この中で旅館業法取得可能な地域は6つのみです。第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域です。もし、工業地域や住居専用地域だった場合は取得することができません

 

旅館業を取りたい物件が、その要件を満たしているかを調べます。あなた自身が詳しくなくても役所で聞けば教えてくれます。聞く先は都市計画課です。電話でも対応してくれます。

 

簡単な手順

●役所に電話する

●「用途地域を調べたいので都市計画課につないでください。」と伝える

●物件の住所を言う

●「用途地域は〇〇です。」という回答がもらえる

 

これでOKです。あなたの物件の用途地域がなんなのか、電話で教えてもらえます。

 

これなら1分ほどで解決しますね。

 

②教育施設

 

近隣に学校などがある場合は気をつけましょう。あった場合は施設への照会が必要になってきます。

 

【教育施設とは】

●学校(大学は含まない)

●児童福祉施設

●公民館

●図書館

●博物館

●青少年育成施設

 

保健所が一つ一つの施設に対して、「簡易宿所ができても大丈夫ですか?」と確認します。(手紙のことが多いです)先方から回答が来るまで答えがわからないので、時間を取られる場合もあります。私もこの回答が来るまで1カ月待ったことがありました。

 

簡易宿所を営業したい建物の周囲約100メートル以内の区域に「教育施設」等があって、簡易宿所を営業するとその施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがある場合は許可されません(先方がNGを出してきたりすると厄介です)

 

賃貸で始める場合はその期間も賃料が発生してしまって費用がかさんでしまうので、できれば上記施設が近くにない物件を選んでおくのがベストです。

 

実際は、これ自体で許可が取れなくなるという可能性はほとんどありませんが、回答を待つ必要があるため許可取得の期間が長引きます。

旅館業法の改正で緩和された「宿泊スペース」の大きさ

③構造基準

 

簡易宿所営業の構造設備の基準は旅館業法施行令で定められていて、下記の条件を満たす必要があります。(旅館業法施行令1条3項)審査するのは保健所なので「旅館業の手引き」と照らし合わせることが審査前に行うべき事項と言えるでしょう。保健所に行けば「旅館業の手引き」をもらうことができます。

 

【構造設備基準】

 

1.客室の延床面積は、33平方メートル以上(約18畳)

2.2段ベッドを置く場合には上段と下段の間隔は1メートル以上であること。

3.適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備があること。

4.宿泊者の需要を満たす大きさのお風呂があること。(近くに銭湯がある場合は無くても問題ないこともある。)

5.十分な数の洗面台

 

●客室の広さについて

 

旅館業法(簡易宿所)では、宿泊者数が10人未満の場合は、宿泊者の数に応じて客室の延床面積が定められています。規定では客室の1人当たりの広さは3.3㎡必要となっています。

 

簡易宿所は多様な人が使用するための施設だということから、最低2人以上が宿泊できるスペースが必要ですので、最低でも6.6㎡の広さが必要ということになってきます。

 

以前は人数に関わらず33㎡以上ないと許可がおりませんでしたが、小規模施設が困るので旅館業法の改正で緩和されました。10人以上の宿泊者数を想定している場合は33㎡あればよい、とされています。この面積には、客室内のトイレや浴室は含まれますが、共通の廊下や押し入れ、クローゼット、ベランダなどは含まないことに注意してください

 

●採光(窓の大きさなど)について

 

基準が決められていない地域もありますが、「窓の面積が床面積の10分の1必要」などと決められている地域もあります。それぞれの自治体の規定がどうなっているかを確認しましょう。これも「旅館業の手引き」に載っています。

 

大体はもともと満たしていることが多いです。ちなみにこれが必要なのは客室(寝室)のみです。リビングなどには必要ありません。逆にもしこれが不安であれば、いくつか部屋があるのであれば窓の大きそうな部屋を寝室に選び、窓の小さい部屋をリビング用にすれば大丈夫です

 

全体の床面積の10分の1ではなく、あくまでその客室の床面積の10分の1なので、大した大きさの窓でなくとも案外足りています。また、新規で物件を購入か借りる方であれば、大き目の窓のある物件を選ぶようにしましょう

 

ホテルなどで地下に飲食店が入っていることが多いのはこのためです。地下は窓がないので基本的には客室にしにくいからです

 

例として新宿区の要項を載せておきます。

 

【採光窓の面積】

第16条条例第8条第4号イ(条例第9条第3項、第10条第3項及び第11条第3項において準用する場合を含む。)の規定により定める面積は、有効面積の10分の1とする。

 

[図表]簡易宿泊営業構造等基準

 

 

根拠法令等
 旅館業法(法)・旅館業法施行令(令)・旅館業法試行規則(規)・大田区旅館業法施行条例(条)・大田区旅館業法施行規則(区規)
根拠法令等  旅館業法(法)・旅館業法施行令(令)・旅館業法試行規則(規)・大田区旅館業法施行条例(条)・大田区旅館業法施行規則(区規)

楽待コラムニスト
全国民泊同業組合連合会理事 

宿泊業と不動産投資を掛け合わせた形でビジネスを行い、5年目に至る。学生の頃に自習用のレンタルデスクを借りたことがきっかけで、空間貸しビジネスの可能性に目覚める。就職活動において10社以上の東証一部上場企業から内定を得た後、総合職の営業として勤務し、2014年に独立。楽待コラムニストとして投資の執筆、不動産投資家やサラリーマンに向けた民泊投資アカデミーを主催、民泊の意見表明に関して国に認められた唯一の折衝機関である全国民泊同業組合連合会の理事を務める。SNS上では、多数のフォロワーに向けて自身の投資手法や考え方を公開し、反響を得ている。民泊ビジネスの第一人者として、多数の取材やセミナー講演依頼を受け、その可能性を提唱している。著書に『買わない不動産投資 ドル箱 宿泊所』(みらいパブリッシング)。

著者紹介

連載最短スケジュールをイチから解説!「簡易宿所」投資の始め方

買わない不動産投資 ドル箱 宿泊所

買わない不動産投資 ドル箱 宿泊所

大神 麗子

みらいパブリッシング

合法で民泊を運用すれば、長期に渡って稼ぐことができる上、高利回りが実現できる投資になります。 2018年6月に民泊新法が施工されることが決まり、今非常に注目されています。 「合法民泊」が始められる! これ1冊でOK…

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