今回は、法律・税金面を考慮した「賢い相続」の進め方について見ていきます。※本連載は、認定司法書士、行政書士、民事信託士として活躍する渡邉善忠氏の著書、『最強の遺言 相続・遺言まるわかりセミナー』(キーステージ21)から一部を抜粋し、「遺言書」や生前の財産管理について、わかりやすく解説します。

「正しい遺言書」を作成し、法律に基づいた相続を

ここまでの話で、相続には「法律面」と「税金面」の両方から考えていくことが必要であることがわかっていただけたかと思います。

 

法律については、あらゆる場面において、「遺言書」が一番有効だといえます。ただし、遺言書は法律に基づいた作り方をしないと無効になることもあります。何となく下書きをしているうちはいいですが、正式な遺言書をつくりたいと考えたときには、書き方や内容、保管場所については、ぜひしっかりと調べてから作成してください。

最新の法律をチェックし、早めの税金対策を心がける

税金については、その時々で法律が改正されるので注意が必要です。平成27年から相続税の基礎控除が減らされ、課税対象になる方が増えています。今後も、以前の法律では課税対象外だった方が、課税対象者となってくる場合もありますので、自分の資産と法律の関係については、気にかけておいていただいた方がいいでしょう。

 

そもそも相続争いは、資産額には関係ありません。極端な話、数十万円を巡って親族同士の関係がこじれてしまうことも、よくあります。節税対策と同じくらい、誰にどのくらいの財産を残すかを慎重に決断するためにも、早いうちから準備をしておくことが大切なのです。

本連載は、2018年3月1日刊行の書籍『最強の遺言 相続・遺言まるわかりセミナー』(キーステージ21)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

最強の遺言 相続・遺言まるわかりセミナー

最強の遺言 相続・遺言まるわかりセミナー

渡邉 善忠

キーステージ21

「相続において、遺言は最強です!」 司法書士の著者が、具体的な事例を通してトラブル対策や相続の基本のキをお教えします。 将来トラブルにならないために用意できる「最強の遺言」とは何か? 残りの人生を明るく生きるた…

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