今回は、相続対策における「生命保険活用」のメリットを見ていきます。※本連載は、認定司法書士、行政書士、民事信託士として活躍する渡邉善忠氏の著書、『最強の遺言 相続・遺言まるわかりセミナー』(キーステージ21)から一部を抜粋し、「遺言書」や生前の財産管理について、わかりやすく解説します

受取人を指定した生命保険金は「相続人固有の財産」

最後に生命保険の有効な活用方法についても、ご紹介しておきます。

 

生命保険を利用するメリットはいくつかあります。

 

まずは相続税法上、法定相続人一人あたりに500万円の非課税枠があるということ。これは単純に節税対策としても有効です。

 

次に、生命保険金というのは、基本的に、受取人を指定しておけば相続財産ではなく、相続人固有の財産ということになりますので、後々、誰かと分ける必要がありません。被保険者(=被相続人)から受取人へ、スムーズにお金を渡すことができます。

税務署への「一時的な納税資金」として確保可能

また保険金は当然、保険会社との契約になりますので、必要な書類さえ提出すれば、すぐに振り込まれます。相続税などの税金には納税期限があります。遺産相続の分配でもめていたとしても税務署は待ってはくれません。遺産分割の協議がまとまらないと、銀行からはお金を下ろすことができません。そのため、一時的にでも納税資金として確保することができます。

 

ただ生命保険については、保険商品ですので、その時の金利や法律によって、有効な商品が販売されていない場合があります。また保険会社によっても、その対応はマチマチですので、できれば複数の保険会社の商品を扱っているような相談窓口に行かれることをオススメします。いずれにせよ保険については、早めの対応をしておくことが大切です。

 

[図表]生命保険の有効活用

(注)契約者が保険料を負担したとする。
(注)契約者が保険料を負担したとする。

本連載は、2018年3月1日刊行の書籍『最強の遺言 相続・遺言まるわかりセミナー』(キーステージ21)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

最強の遺言 相続・遺言まるわかりセミナー

最強の遺言 相続・遺言まるわかりセミナー

渡邉 善忠

キーステージ21

「相続において、遺言は最強です!」 司法書士の著者が、具体的な事例を通してトラブル対策や相続の基本のキをお教えします。 将来トラブルにならないために用意できる「最強の遺言」とは何か? 残りの人生を明るく生きるた…

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