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韓国企業がビジネスに役立てた「日本にならった品質管理」

今回は、韓韓国企業がビジネスに役立てた「日本にならった品質管理」の例を紹介します。※本連載では、株式会社ジェイターボ・代表理事、一般社団法人Read For Action協会・リーディングファシリテーターである徐丞範氏の著書『韓国ビジネス 53の成功ルール』(合同フォレスト)から一部を抜粋し、日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が、韓国ビジネスを成功に導く「相手との付き合い方」を説明します。

韓国人は「結果オーライ」の姿勢を改めるべき

韓国人は、そもそも間違いに寛容です。計画通りに進まなくても、何かミスが起きても、最終的に「結果オーライ」になればよしとします。

 

しかし、韓国は少数の大企業がGDPの多数を占める国。国内の需要だけでは、中小企業は立ちいかなくなってしまいます。そのため、海外との取引が欠かせません。

 

国際的に信頼され、海外の需要に応えるためには、この「結果がよければすべてよし」という姿勢を変えなければならないと、私は考えていました。そのため、以前私が勤めていたターボ機械のメーカーでは、日本にならい、トラブルが起きたときは、「原因の究明と再発防止」に取り組むことにしたのです。

「日本への販売実績」を見たドイツ企業が取引を決定

これは、コミュニケーションの話ではありませんが、「お互いから学べば、よりよくなれる」例として紹介しましょう。

 

私がターボ機械メーカーに勤めていたあるとき、原因不明のエラーが出て機械が止まってしまったことがありました。

 

ただこのエラーは、そう頻繁に起きるものではなかったため、このメーカーでは、「トラブルが起きたときだけ対応すればいい」と考えて、のんきに構えていました。すると、同じエラーを体験した日本の多くの企業から、「この問題が解決できなければ、次のオーダーはない」と言われてしまったのです。

 

そこで私は、タスクフォースチームを結成、直接指揮をとり、研究員たちと一緒に原因を究明し始めたのです。

 

最初は、多くの社員は、なぜそんなことをしなければならないのか理解できません。「なぜ、そこまでするんだ」という声が大多数でした。でも、私はそこで「トラブルが起きたときだけ対応していたら、日本だけでなくほかの国に売ることはできない。ここで原因を突き止め再発防止策を見つければ、他国に輸出するときも絶対に役に立つ」と、周りを必死に説得したのです。

 

そして、ついに制御線の配置の距離や経路などでノイズが発生することが原因だとわかりました。

 

原因がわかれば、次は再発の防止です。ノイズに対するフィルターをつけたり、制御線の配置を変えたりして、徹底的に試験場と現場でのテストを繰り返しました。そして、最終的に製品に反映させ、その後は二度と同じトラブルは起きなくなったのです。

 

さらに、こうしたことを繰り返し行ううち、私たちの会社では製品の品質が格段にアップし、海外からの評価もグンと高まりました。

 

あるときドイツの会社から、私たちの会社の「ターボ機械に興味がある」と連絡がありました。そこで、私は、製品の紹介とともに、これまでの販売実績も送りました。すると、「日本でこれだけの数を販売しているのであれば、品質は問題ないだろう」と評価され、取引が決まったのです。

 

日本から学んだ品質管理は、ほかの国でも通用するということが、このときわかったのです。

株式会社ジェイターボ 代表理事
一般社団法人Read For Action協会
リーディングファシリテーター 

1964年、東京オリンピックの年に、韓国・ソウルで生まれる。
父親の韓国大使館勤務のために、小学校5年から高校2年までの7年間を東京・麻布で暮らす。都立三田高校2年を終了後、韓国に帰国。韓国で京畿高校を卒業後、高麗大学日本文学科、韓国外国語大学大学院で森鴎外の研究で修士号を取得。

朝日新聞ソウル支局記者として、ソウルオリンピックを取材。その後、韓国の老舗広告代理店オリコムに入社し、テジョンエキスポ(大田国際博覧会)の企画・運営に携わる。電通との合弁会社であるフェニックス・コミュニケーションズの部長に就任時、日韓共催のサッカーW杯のプロモーションなど、日本と関連の深いイベントを手がける。2001年、機械メーカーのベンチャー企業「Kターボ」の立ち上げに関わり、数年で社員130人の企業に成長させる。2014年、エンジニアリング商社「株式会社ジェイターボ」をつくり、独立。

2016年、出版社「Hownext」を立ち上げる。現在は、日韓両国を結んだ機械などの輸出入をはじめ、日本の書籍を韓国で翻訳・出版するなどの出版事業、コンサル業などを手がけている。韓国語に翻訳・出版した主な書籍には、『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(藤原和博著/東洋経済新報社)などがある。

■E-mail:hownext@gmail.com

著者紹介

連載韓国ビジネスを成功に導く「相手との付き合い方」

 

 

韓国ビジネス 53の成功ルール

韓国ビジネス 53の成功ルール

徐 丞範

合同フォレスト

日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が指南する、韓国人とビジネスを円滑に進め、良好な人間関係を築くために知っておきたいポイント。 日本人と韓国人の違いや特性を理解し、お互いの強みを生かせば、私た…

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