韓国人は「結果オーライ」の姿勢を改めるべき
韓国人は、そもそも間違いに寛容です。計画通りに進まなくても、何かミスが起きても、最終的に「結果オーライ」になればよしとします。
しかし、韓国は少数の大企業がGDPの多数を占める国。国内の需要だけでは、中小企業は立ちいかなくなってしまいます。そのため、海外との取引が欠かせません。
国際的に信頼され、海外の需要に応えるためには、この「結果がよければすべてよし」という姿勢を変えなければならないと、私は考えていました。そのため、以前私が勤めていたターボ機械のメーカーでは、日本にならい、トラブルが起きたときは、「原因の究明と再発防止」に取り組むことにしたのです。
「日本への販売実績」を見たドイツ企業が取引を決定
これは、コミュニケーションの話ではありませんが、「お互いから学べば、よりよくなれる」例として紹介しましょう。
私がターボ機械メーカーに勤めていたあるとき、原因不明のエラーが出て機械が止まってしまったことがありました。
ただこのエラーは、そう頻繁に起きるものではなかったため、このメーカーでは、「トラブルが起きたときだけ対応すればいい」と考えて、のんきに構えていました。すると、同じエラーを体験した日本の多くの企業から、「この問題が解決できなければ、次のオーダーはない」と言われてしまったのです。
そこで私は、タスクフォースチームを結成、直接指揮をとり、研究員たちと一緒に原因を究明し始めたのです。
最初は、多くの社員は、なぜそんなことをしなければならないのか理解できません。「なぜ、そこまでするんだ」という声が大多数でした。でも、私はそこで「トラブルが起きたときだけ対応していたら、日本だけでなくほかの国に売ることはできない。ここで原因を突き止め再発防止策を見つければ、他国に輸出するときも絶対に役に立つ」と、周りを必死に説得したのです。
そして、ついに制御線の配置の距離や経路などでノイズが発生することが原因だとわかりました。
原因がわかれば、次は再発の防止です。ノイズに対するフィルターをつけたり、制御線の配置を変えたりして、徹底的に試験場と現場でのテストを繰り返しました。そして、最終的に製品に反映させ、その後は二度と同じトラブルは起きなくなったのです。
さらに、こうしたことを繰り返し行ううち、私たちの会社では製品の品質が格段にアップし、海外からの評価もグンと高まりました。
あるときドイツの会社から、私たちの会社の「ターボ機械に興味がある」と連絡がありました。そこで、私は、製品の紹介とともに、これまでの販売実績も送りました。すると、「日本でこれだけの数を販売しているのであれば、品質は問題ないだろう」と評価され、取引が決まったのです。
日本から学んだ品質管理は、ほかの国でも通用するということが、このときわかったのです。