今回は、韓国企業とのビジネスを円滑に進め、信頼を得る方法を説明します。※本連載では、株式会社ジェイターボ・代表理事、一般社団法人Read For Action協会・リーディングファシリテーターである徐丞範氏の著書『韓国ビジネス 53の成功ルール』(合同フォレスト)から一部を抜粋し、日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が、韓国ビジネスを成功に導く「相手との付き合い方」を説明します。
「早く、早く」が口グセの韓国人だが・・・
あなたが、韓国語を学び始めたとしましょう。そして、韓国に旅行に来たとします。すると、韓国人同士の会話の中では、頻繁に「早く、早く」と言われていることに気づくでしょう。
日本でも、お母さんが子どもに「早くしなさい」と言うのは、耳にします。でも、韓国では、親が子どもに「早く、早く」と言う以外にも、
レストランでオーダーした品を待つ間に「おばさん、早く、早く」
友人同士で買い物をしていても「早く、早く、行こうよ」
学校で先生が生徒に「勉強しなさい、早く、早く」
上司が部下に「報告しろ、早く、早く」
など、ほんとうに多くの場面で「早く、早く」と言われています。
また、言葉だけでなく、実際に歩き方も早いですし、自動販売機でカップコーヒーを買っても注ぎ終わる前に取り出そうとしたり、レジで決済手続きが進む前からペンを持って待ち構えていたりする人もよく見かけます。
せっかちなのは、悪い面ばかりではありません。こうした気質があったおかげで、生産性が高まり、経済の急速な発展につながったり、ITが見る間に広がったりしたのだと思うからです。
催促されても、回答する日を伝えて期日を守れば大丈夫
とはいえ、ビジネスを行う場合、韓国人は日頃の習慣から、どうしても日本人のスピード感がもどかしく感じることもしばしば。つい、途中経過を知りたくて催促してしまいます。
あなたがもし、韓国人に「早く、早く」と言われたとしても、プレッシャーに感じることはありません。そんなときは先回りして、「この時期に、この回答をします」と伝え、日本人らしく、期日を守れば、韓国人の信頼を得ることができるのです。
株式会社ジェイターボ 代表理事
一般社団法人Read For Action協会
リーディングファシリテーター
1964年、東京オリンピックの年に、韓国・ソウルで生まれる。
父親の韓国大使館勤務のために、小学校5年から高校2年までの7年間を東京・麻布で暮らす。都立三田高校2年を終了後、韓国に帰国。韓国で京畿高校を卒業後、高麗大学日本文学科、韓国外国語大学大学院で森鴎外の研究で修士号を取得。
朝日新聞ソウル支局記者として、ソウルオリンピックを取材。その後、韓国の老舗広告代理店オリコムに入社し、テジョンエキスポ(大田国際博覧会)の企画・運営に携わる。電通との合弁会社であるフェニックス・コミュニケーションズの部長に就任時、日韓共催のサッカーW杯のプロモーションなど、日本と関連の深いイベントを手がける。2001年、機械メーカーのベンチャー企業「Kターボ」の立ち上げに関わり、数年で社員130人の企業に成長させる。2014年、エンジニアリング商社「株式会社ジェイターボ」をつくり、独立。
2016年、出版社「Hownext」を立ち上げる。現在は、日韓両国を結んだ機械などの輸出入をはじめ、日本の書籍を韓国で翻訳・出版するなどの出版事業、コンサル業などを手がけている。韓国語に翻訳・出版した主な書籍には、『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(藤原和博著/東洋経済新報社)などがある。
■E-mail:hownext@gmail.com
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連載韓国ビジネスを成功に導く「相手との付き合い方」