今回は、韓国企業とのビジネスをスムーズにする「メール」の送り方を説明します。※本連載では、株式会社ジェイターボ・代表理事、一般社団法人Read For Action協会・リーディングファシリテーターである徐丞範氏の著書『韓国ビジネス 53の成功ルール』(合同フォレスト)から一部を抜粋し、日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が、韓国ビジネスを成功に導く「相手との付き合い方」を説明します。

用件のみのメールでも、失礼にはならない!?

韓国では、結果に対してシビアに判断されるため「できるだけムダを省こう」とする傾向が高くなっています。

 

そのためメールでやり取りをするときも、日本のように、「お世話になっております」から始め、最後は、「よろしくお願いします」で締めくくるような、形式にのっとっていなくても、「失礼なやつだ」と思われることはありません。むしろ、「お世話になっております」とメールを打っている時間があるなら、そのぶん、早く返事をしてくれるとうれしいと感じることもあります。

 

私は、急いでいるときなど、「それは、特別なレートを適用してください」など、用件のみの1行メールで済ませることがよくあります。

 

韓国人同士のやりとりではもちろん、日本のクライアントにも、そうしたメールを送っていたところ、実際に会ったときに、「徐さんって、もっと怖い人なのかと思ってました」と、日本人の担当者に言われたことがあります。

 

失礼なことなどした覚えがないのに、なぜ、そう思われていたのか不思議に感じてたずねたところ、「メールがぶっきらぼうだから」と言われてしまったのです。

 

そこであらためて、韓国では用件のみのメールが当たり前で、日本のようにわざわざ、「用件のみで失礼します」などとは付け加えないことを説明し、やっと誤解が解けたのです。

 

ですから、日本人のあなたがもし、韓国人から必要なことだけが書かれたメールを受け取っても「嫌われているのか」などと、考えすぎないほうがいいでしょう。また、韓国人が日本語でメールを送る場合は、せめて「よろしくお願いします」は、最後に入れると印象がよくなるのではないでしょうか。

「念のため」のCCを付けたメールの送付は避ける

もう一つ、私が、メールの使い方について違いを感じる点があります。それは、日本では、やたらと「CC」を入れたメールが飛び交うことです。

 

そのメールを見ておくべき人以外にも、ちょっとでも関係がある人全員にCCを入れてメールを送るため、メールの受信数が膨大になります。現代では、メールなしでは仕事が進みませんが、これではメールの処理ばかりに時間を取られることにもなりかねません。

 

もし、あなたが韓国企業と仕事をするのであれば、「念のため」のCCを付けたメールを送るのは避けたほうがいいでしょう。すぐに「自分に関係ないなら、外してくれ」と言われるはずです。

 

また逆に、韓国人からメールが届いたときは、たとえそれがCCでも「しっかり目を通してほしい」という意味ですから、確認したほうがいいといえます。

韓国ビジネス 53の成功ルール

韓国ビジネス 53の成功ルール

徐 丞範

合同フォレスト

日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が指南する、韓国人とビジネスを円滑に進め、良好な人間関係を築くために知っておきたいポイント。 日本人と韓国人の違いや特性を理解し、お互いの強みを生かせば、私…

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