用件のみのメールでも、失礼にはならない!?
韓国では、結果に対してシビアに判断されるため「できるだけムダを省こう」とする傾向が高くなっています。
そのためメールでやり取りをするときも、日本のように、「お世話になっております」から始め、最後は、「よろしくお願いします」で締めくくるような、形式にのっとっていなくても、「失礼なやつだ」と思われることはありません。むしろ、「お世話になっております」とメールを打っている時間があるなら、そのぶん、早く返事をしてくれるとうれしいと感じることもあります。
私は、急いでいるときなど、「それは、特別なレートを適用してください」など、用件のみの1行メールで済ませることがよくあります。
韓国人同士のやりとりではもちろん、日本のクライアントにも、そうしたメールを送っていたところ、実際に会ったときに、「徐さんって、もっと怖い人なのかと思ってました」と、日本人の担当者に言われたことがあります。
失礼なことなどした覚えがないのに、なぜ、そう思われていたのか不思議に感じてたずねたところ、「メールがぶっきらぼうだから」と言われてしまったのです。
そこであらためて、韓国では用件のみのメールが当たり前で、日本のようにわざわざ、「用件のみで失礼します」などとは付け加えないことを説明し、やっと誤解が解けたのです。
ですから、日本人のあなたがもし、韓国人から必要なことだけが書かれたメールを受け取っても「嫌われているのか」などと、考えすぎないほうがいいでしょう。また、韓国人が日本語でメールを送る場合は、せめて「よろしくお願いします」は、最後に入れると印象がよくなるのではないでしょうか。
「念のため」のCCを付けたメールの送付は避ける
もう一つ、私が、メールの使い方について違いを感じる点があります。それは、日本では、やたらと「CC」を入れたメールが飛び交うことです。
そのメールを見ておくべき人以外にも、ちょっとでも関係がある人全員にCCを入れてメールを送るため、メールの受信数が膨大になります。現代では、メールなしでは仕事が進みませんが、これではメールの処理ばかりに時間を取られることにもなりかねません。
もし、あなたが韓国企業と仕事をするのであれば、「念のため」のCCを付けたメールを送るのは避けたほうがいいでしょう。すぐに「自分に関係ないなら、外してくれ」と言われるはずです。
また逆に、韓国人からメールが届いたときは、たとえそれがCCでも「しっかり目を通してほしい」という意味ですから、確認したほうがいいといえます。