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日本企業と韓国企業・・・「仕事上のミス」に関する考え方の違い

今回は、日本企業と韓国企業の「仕事上のミス」に関する考え方の違いを探ります。※本連載では、株式会社ジェイターボ・代表理事、一般社団法人Read For Action協会・リーディングファシリテーターである徐丞範氏の著書『韓国ビジネス 53の成功ルール』(合同フォレスト)から一部を抜粋し、日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が、韓国ビジネスを成功に導く「相手との付き合い方」を説明します。

「間違いを素直に認めるほど、勇気がいることはない」

私が日本の高校で1年生だったとき、教育実習で来ていた大学生の先生が、最後の授業が終わるとき、「君たちに、これだけは伝えておきたい」と黒板にこう書いてくれたのです。

 

「自分の間違いを素直に認めるほど、勇気がいることはない」

 

その先生は、なぜそう思うに至ったかの話はしませんでした。でも、なぜかこの言葉は私の胸に残り、手帳に書き留めておいたのです。そしてその後、さまざまな場面で、自分にとっても、そして多くの日本人にとっても、過ちを素直に認めるのはとても勇気が必要なのだと実感したのです。

ミスは誰にでもあると、寛容に考える韓国人

一番、印象に残っているのが、私がターボ機械メーカーに勤務していたときのことです。

 

あるとき私は、韓国人のエンジニアと、日本人で30年以上の経験があるベテランエンジニアとが共同で機械の試運転をする場に立ち会いました。韓国人のエンジニアの点検が順調に進む中、日本人のエンジニアが確認のため、部品を外して入れ直したりしています。

 

すると、あるときを境に、機械がピッタリと止まってしまったのです。それまでは問題なく動いていたのになぜだろうと、エンジニアが総出で点検するも、原因が見つかりません。そこで私が、先ほど、日本人のベテランエンジニアが外した部品をもう一度外し、締め直したところ、無事、機械はスタートしました。

 

私がなにげなく、日本人のベテランエンジニアに、「先ほど、この部品を外していましたよね」と言うと、彼は烈火のごとく怒り出したので、私はビックリしてしまいました。

 

「自分は、絶対にそんなことはしていない」

「僕のことをなんだと思っているんだ」

 

と言い始め、さらには「そんな失礼なことを言う会社とは取引できない」とまで言い出したのです。

 

私は、日本人のベテランエンジニアが、「そうだね、さっき触ったとき緩んだのかもしれないね、ごめんね」と、言ってくれるとばかり思っていました。そして、私も、ミスを追及するのではなく、「いえいえ、そんなの大したことじゃないですよ。動き出してよかったです」と言うつもりだったのです。

 

最終的にこの事件は、日本人のベテランエンジニアが納得せず、私が韓国から何度も出張して謝ることで落ち着きました。

 

私はこのときから、特にビジネスの場面では、結果がよければあえて誰の間違いかは口にしないほうがいいことを学びました。また「悪かった」と口にしてくれる人は、大きな勇気を持っているのだとリスペクトするようになったのです。

 

反対に考えると、もしかしたら日本人にとって韓国人は「ミスを軽く考えている」と感じられるのかもしれません。でも私は、韓国人は決して軽い気持ちで間違いを犯しているのではなく、「人間なら、誰にでもあることだ」と、寛容な心を持っていることを理解してほしいのです。

株式会社ジェイターボ 代表理事
一般社団法人Read For Action協会
リーディングファシリテーター 

1964年、東京オリンピックの年に、韓国・ソウルで生まれる。
父親の韓国大使館勤務のために、小学校5年から高校2年までの7年間を東京・麻布で暮らす。都立三田高校2年を終了後、韓国に帰国。韓国で京畿高校を卒業後、高麗大学日本文学科、韓国外国語大学大学院で森鴎外の研究で修士号を取得。

朝日新聞ソウル支局記者として、ソウルオリンピックを取材。その後、韓国の老舗広告代理店オリコムに入社し、テジョンエキスポ(大田国際博覧会)の企画・運営に携わる。電通との合弁会社であるフェニックス・コミュニケーションズの部長に就任時、日韓共催のサッカーW杯のプロモーションなど、日本と関連の深いイベントを手がける。2001年、機械メーカーのベンチャー企業「Kターボ」の立ち上げに関わり、数年で社員130人の企業に成長させる。2014年、エンジニアリング商社「株式会社ジェイターボ」をつくり、独立。

2016年、出版社「Hownext」を立ち上げる。現在は、日韓両国を結んだ機械などの輸出入をはじめ、日本の書籍を韓国で翻訳・出版するなどの出版事業、コンサル業などを手がけている。韓国語に翻訳・出版した主な書籍には、『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(藤原和博著/東洋経済新報社)などがある。

■E-mail:hownext@gmail.com

著者紹介

連載韓国ビジネスを成功に導く「相手との付き合い方」

 

韓国ビジネス 53の成功ルール

韓国ビジネス 53の成功ルール

徐 丞範

合同フォレスト

日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が指南する、韓国人とビジネスを円滑に進め、良好な人間関係を築くために知っておきたいポイント。 日本人と韓国人の違いや特性を理解し、お互いの強みを生かせば、私た…

 

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