今回は、「職場の基礎代謝」が低下してしまう理由を説明します。※本連載は、「職場の基礎代謝®」専門家、沖縄人財クラスタ研究会の代表理事である白井旬氏の著書、『生産性を高める職場の基礎代謝』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、組織の生産性を向上させる「職場の基礎代謝」と、社員の能力×職場の基礎代謝=会社の実力(組織の生産性)という考え方を紹介します。
「基礎代謝」が低下する仕組みは、人も職場も同じ
スタッフ個々のパフォーマンス、会社全体の売上高や利益率、さらには、人材の採用・定着・育成力など多方面に、大きな影響を与える「職場の基礎代謝」。
そもそも、なぜ「基礎代謝」は低下するのでしょうか。物事には、原因(理由)があって、結果があります。つまり、「基礎代謝」低下の原因(理由)が分かれば、より具体的に改善を図ることができます。また、事前の対策により、「基礎代謝」の低下を未然に防ぐこともできます。
運動不足や睡眠不足、不規則な生活や不摂生が祟った、不安な出来事があるなど、何らかの理由で「不」が増えたときに、「基礎代謝」が低下するのは、皆さまも過去の経験から実感としてあると思います。
実際に、内科・外科・小児科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科などの医療関係者や美容関係者にもヒアリングを行ったところ、「確かにそういうことがある」との回答を得ることができました。
「不」が積み重なれば、パフォーマンスの低下を招く
そして、この「不」は、連鎖をしやすく、重なりやすいという特徴があります。例えば、締め切りに追われ、徹夜続きで睡眠不足。その上、真夜中に食事をとるなど不規則な生活が続き、休みもとれずに運動不足に陥るといった具合です。
これは、職場も同じことです。つまり、「不」が積み重なる→「基礎代謝」が低下する→パフォーマンスが低下するということになります(以下の図表参照)。
[図表] 「職場の基礎代謝」を下げる原因を探す
これを簡略化して考えてみると、「能力×不○○=実力(パフォーマンス)の低下」という公式が成り立つのです。次回から詳しくご説明します。
「職場の基礎代謝®」専門家
特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会 代表理事
1995年に流通科学大学を卒業後、大手旅行会社へ入社。2001年に業務系ITコンサル企業へ転職し、沖縄支店長を務めるが倒産。その経験から人材育成と組織開発に興味を持つ。その後、経済支援団体と地銀系シンクタンクを経て、2012年に沖縄人財クラスタ研究会の代表理事となる。
現在は、慶應義塾大学大学院・特任教授の高橋俊介氏と連携し、沖縄県の「人材育成企業認証制度」や「人材育成推進者養成講座」などを企画・運営。「職場の基礎代謝®」の考え方をベースに、アンガーマネジメント、ドリームプラン・プレゼンテーション(ドリプラ)、レゴ®シリアスプレイ®メソッド、2030SDGsカードゲームなど活用し、全国のべ1万人以上の人材育成研修や組織活性化支援に携わる。その他、大卒の入社3年以内の離職率が約50%の沖縄県において、当法人が事務局を務める「Gutsインターンシップ」修了生の離職率は10%未満という実績を上げ、注目を浴びている。
特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会のHPはこちら:https://www.human-okinawa.org/
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