投資に興味はあっても、結局は銀行に預けっぱなし!?
はじめに、おうかがいします。
みなさんは、投資に興味がありますか?
おそらく、この本を手に取られた方のほとんどは、「はい」と答えるでしょう。
では、続いての質問です。
みなさんは、今まで投資をしたことがありますか?
この問いに対する答えはさまざまでしょう。
「すでに投資を始めており、もっといい投資方法を知りたい」という人もいれば、「一度投資に失敗して以来、怖くて手を出せない」という人もいるはずです。
また一方で、
「手元に少しでも現金がある方が安心できる」
「投資に対して、なんとなく恐怖心がある」
「投資方法や金融商品が多すぎて、何に投資したらいいかわからない」
といった理由から、
「投資に興味があり、情報を集めたものの、さんざん迷ったり悩んだりした挙句、結局、銀行にお金を預けっぱなしにしている」
そんな人も、少なくないのではないでしょうか。
日本人の「預金好き」は、戦後の政策に起因する!?
実際、日本人の「預金好き」は、先進国の中でも群を抜いています。
日本銀行調査統計局が2017年8月に発表した「資金循環(じゅんかん)の日米欧比較」によると、家計における金融資産の構成は、
●現金・預金:日本…約52%、米国…約13%、欧州…約33%
●投資信託・債務証券・株式等:日本…約17%、米国…約52%、欧州…約31%
であり、日本の現金・預金の割合が圧倒的に高く、投資信託や債務証券、株式等の割合が低いことがわかります。
こうした、日本人の預金好きは、戦後の政策によって生まれたものです。
戦争によって荒廃した日本を立て直すためには、金融機関に国民のお金を集めて企業に貸し出し、産業を活性化させるのが、もっとも効率的でした。
そこで政府は、「預金は安全である」「預金はいいことである」という価値観を人々の間に浸透させたのです。
実際、国民の預金に支えられて日本は高度経済成長を遂げ、預金者へのリターン(利息)も多く、人々は金融機関にお金を預けているだけで、資産を増やすことができました。
おそらくみなさんも、子どものころ、お年玉をもらった際などに、親から「ムダ遣いせず、貯金しておきなさい」と言われたことがあるのではないかと思います。
「預金はいいことである」という価値観は、このようにして、知らず知らずのうちに日本人の中に刷り込まれ、今も息づいているのです。