残り時間が少ない世代は「投資をしても無駄」なのか?
ところで、前回の記事『なぜ若い人こそ積極的に「投資」を行うべきなのか?』でご紹介したようなお話をすると、今度は50代以上の方が「自分たちは残り時間が少ない」「今さら投資を始めても、ムダなのではないか」とおっしゃることがあります。
そのような方に対しても、私は必ず、
「投資を始めるのに、遅すぎることもありません」
と答えるようにしています。
多くの人はなぜか、定年を迎えたり、公的年金の支給が開始されたりする60〜65歳を「資産形成のゴール」に設定し、「その年齢までに、老後の資金を全部つくっておかなければ」と考えがちです。
それまでまったく資産形成をしてこなかった人が、いきなり50歳から投資を始め、10年や15年で、その後の人生のために十分な資金をつくろうと思ったら、かなり無理をしなければならないでしょう。
運用をやめない限り、資産は育ち続ける可能性がある
しかし、もし50歳の方が、自分の生涯を通じて投資を継続したらどうでしょう。
たとえば、50歳から65歳まで毎月10万円ずつ積み立て投資をし、年平均の運用期待利回りが3%だとすると、15年間に2275万4,000円の資産をつくることができます。
その後、そこから毎月15万円ずつ引き出して生活費に充て、残りをやはり年平均3%で運用すれば、15年11か月間は残高を維持することができます。引き出す額を減らしたり、もう少し運用利回りがよくなったりすれば、それだけ長く、お金をもたせることができるのです。
運用をやめない限り、資産は育ち続ける可能性がありますし、自分自身がこの世を去った後は、その資産を家族に引き継がせたり、寄付し、社会のために役立てたりすることができます。
資産運用にゴールはなく、ゴールを設定する必要もないのです。
Point
投資を早く始めれば、それだけ大きな資産をつくる可能性ができるため、ゴールを決めずに運用を続けることが大事。