相場が閉まっている時間でも注文は出しておける
証券取引所が開いているのは、平日の昼間だけです。いずれは夜間取引も始まる予定ですが、今のところはまだ昼間に限られています。そして、土日、祝日、年末年始は休場です。
昼間に開いている時間は、東証の場合で9時〜11時半、そして12時半〜15時です。ちなみに、名証・福証・札証は、東証と微妙に開場時間が異なります。午前の相場は前場(ぜんば)、午後の相場は後場(ごば)と呼ばれます。
株式市場には、節目のタイミングに特有の名称が与えられています。それを時系列にご紹介しておきましょう。
●9時(前場が始まる時間)・・・寄り付き
●11時半(前場が終わる時間)・・・引け
●12時半(後場が始まる時間)・・・後場寄り付き
●15時(後場が終わる時間)・・・大引け
これらは基本の用語なので、ぜひ覚えておいてください。なお、寄り付きで最初についた株価は「始値(はじめね)」、大引けの株価は「終値(おわりね)」といいます。証券取引所が開いていて、株の売買が行われる時間を「ザラ場」と呼びます。ザラ場で注文を出せば、状況次第で即時注文を成立させることができます。
ただし、相場が閉まっている時間でも、注文を出しておくことはできます。そのときは即時注文が成立することはなく、通常は翌日の相場の寄り付きで発注されることになります。
売買手数料が安い「ネット証券」がお勧め
注文を出す――といいますが、投資家が直接証券取引所に注文することはできません。証券取引所と投資家の間には、常に仲介役が必要です。それが、証券会社です。
世の中には証券会社がたくさんあります。全国のあちこちに店舗を構えている大手から、地方銀行のように、一定の地方だけに根差している地場証券、あるいは店舗を構えないネット証券まで、形態はいろいろです。
その中でお勧めはネット証券です。店舗のある証券会社でも、最近は大抵ネットからでも注文を出せるようになっていますが、ネット専業の証券会社のほうが、あらゆる意味でベターです。
ネット証券は何といっても売買手数料が安いというのが一番のメリットです。また、証券会社の社員と直接接することはないので、ノルマを背負った営業担当に「この投資信託買いませんか」などと、しつこく営業をかけられることもありません。
投資信託や債券といった、株以外の商品の品ぞろえは各社で異なりますが、日本の株についてはどの証券会社でも同じように取引できるので、好きなところを選びましょう。一応、判断の目安をいうとすれば、サイト上の発注画面などが多機能すぎて複雑なところより、すべてがシンプルで、チャートなどが見やすい証券会社が一番ではないかと思います。
ネット証券の売買手数料は各社で異なるので、その点も注意してみてください。しかし、最近はネット証券であればどこも良心的な設定になっており、安心して取引できるようになっています。
年間一定額以内の投資なら課税免除の「NISA」
また、2014年1月より、「NISA(少額投資非課税制度)」の導入が開始されました。通常、株を売ったときには、その利益の約20%が税金として差し引かれます。しかし、NISAを利用すれば、年間100万円(2016年より年間120万円)までの投資について、いくら利益が出ても税金がかからなくなり、かなりおトクです。
NISAを利用するには、証券会社、あるいは銀行でNISA専用口座を開く必要があります。住民票の写しを提出するなど、細かなルールが設けられており、わずらわしい部分もありますが、非課税になるというメリットは大きいので、利用したほうがよいでしょう。