前回は、株式市場で使われている特有の名称や、「ネット証券」「NISA」などについて説明しました。今回は、株価を決める要因などについて見ていきましょう。

買いと売りの「バランス」によって株価は動く

証券口座にお金を入れたら、いよいよ相場のウォッチのスタートです。

 

ザラ場中の株価は、秒単位で刻々と変化します。なぜ、このように上下するかといえば、相場では株を「買いたい人」と「売りたい人」がせめぎあっているからです。言い方を変えると、「買いたい人=需要」「売りたい人=供給」です。

 

持っている株を「売りたい」と思っても、まったく需要がなければ売ることはできません。また、需要はあっても、希望する値段で買ってくれそうにないような場合にも、やっぱり売買は成立しません。

 

 

こうした買いと売りのバランス(需給)によって、株価の動きは決まります。需給がある程度拮抗していれば株価は安定的になりますが、需要に偏っていれば株価は上がり、供給に偏っていれば株価は下がります。

 

株価を決める「板寄せ方式」「ザラ場方式」とは?

無数に存在する相場参加者が、膨大な注文を出していく中で、株価がどのように決まっていくのかといえば、次の2通りがあります。

 

●板寄せ方式

●ザラ場方式

 

まず、板寄せ方式について簡単にいうと、前場が始まる9時(寄り付き)、前場が終わる11時半(引け)、後場が始まる12時半(後場寄り付き)、後場が終了する15時(大引け)の株価を決めるとき、主に用いられている方式です。

 

板寄せ方式の「板」とは、どの銘柄に、いくらで、どれだけの注文が入っているかを示すものです。買いの数量を示しているものを「買い板」、売りの数量を示しているものを「売り板」と呼びます。

 

寄り付きや大引けには注文が殺到するため、板にすべての注文状況をまとめた上で、適正な始値(寄り付き後、最初につく株価)を決定し、順次売買を成立させていくルールになっています。原則的には、「いくらでもいいから買う」という成行注文を優先させ、次に指値の安い売り注文と、高い買い注文から順次マッチングしていきます。

 

一方のザラ場方式とは、板寄せによって株価が決まった後、すでに発注されている買い注文(もしくは売り注文)の値段と、新たに発注された売り注文(もしくは買い注文)の値段が合致したとき、売買が成立します。

 

 

板寄せ方式、ザラ場方式という言葉を特別に意識する必要はないですが、そのようにして決まっているという事実は、何となくでも覚えておきましょう。

 

本連載は、2014年7月25日刊行の書籍『明日ドカンと上がる株の見つけ方』から抜粋したものです。
本連載は、一般的な株式分析の手法などを紹介することを目的に発行しています。投資を促したり、筆者が運営する投資顧問サービス「マエストロの株式ボナセーラ」に勧誘することを目的としたものではございません。また、投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。本連載の内容に関して投資した結果については、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。なお、「マエストロの株式ボナセーラ」の業務、手数料、およびリスクなどに関しましては、ホームページに掲載の契約締結前交付書面を十分にお読みください。

明日ドカンと上がる株の見つけ方

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熊谷 亮

幻冬舎メディアコンサルティング

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