インカムゲインを生む「配当」「株主優待」とは?
10万円で買った株が20万円に値上がりした場合、それを売却したら10万円の利益が出ます。こうした、株そのものの値上がりによって生まれる利益のことを、「キャピタルゲイン」と呼びます。
キャピタルゲインは株の世界だけで使われる言葉ではありません。例えば、持ち家を売って利益が出れば、それもキャピタルゲインです。買った値段よりも売った値段が高ければ、その差額は基本的に何でもキャピタルゲインと呼ばれるのです。ちなみに、損したときはキャピタルロスです。
株の場合、キャピタルゲイン以外にも、利益を得るチャンスはあります。例えば、「配当」です。配当とは、企業が株を買ってくれている人(株主)に対し、利益の一部を現金で還元する仕組みです。企業は、株を発行し、それを買ってもらうことで運転資金を調達しているので、利益が出たときには「株を買ってくれてありがとう」という気持ちを示すために、配当を出します。
同じような制度として、「株主優待」があります。株主優待は、株主に現金ではなく、さまざまな品物を贈るというものです。優待の品物は企業によって異なり、金券やお米券、自社製品などさまざまです。
なお、どちらもある一定の時期に保有していないと受け取れないシステムなので、買えば必ずもらえるわけではありません。
配当や優待のように、株を持っているだけでもらえる利益を「インカムゲイン」と呼びます。インカムゲインはほかの金融商品でも発生します。不動産なら家賃収入、預貯金なら利息収入、投資信託なら分配金が、インカムゲインに相当します。
高配当株を持つよりキャピタルゲインを狙える株を買う
株の世界では、高配当な銘柄を長く保有し続けて、定期的に(大体年2回)高い配当を受け取るという投資手法もよく選択されています。例えば、NISA導入から間もない頃、「武田薬品工業」の株が売れているとして話題になりましたが、それは同銘柄が有名な高配当株だからです。NISAでは、配当金も非課税になります。
インカムゲイン狙いも悪くない手かもしれませんが、いくら高配当といっても、そんな大金を受け取れるわけではありません。そのため、ただひたすら高配当株を持っているよりは、その資金をどんどん回転させて、キャピタルゲインを狙える株を売買したほうが、確実にお金を稼げます。
従って、一部インカムゲイン狙いの株を持つのはよいとしても、基本はキャピタルゲイン狙いのトレードを目指すことを、強くお勧めします。