白内障は「加齢」にともなって起こる変化のひとつ
Q:白内障は病気でしょうか?
A:答えはYESです。
Q:それでは白内障は一部の人だけに起こる特殊な病気なのでしょうか?
A:その答えはNOです。白内障は年齢を重ねていくと、すべての人に起こります。一部の人だけに起こる病気ではありません。言い換えると、すべての人は白内障になることを避けることはできません。
歳を重ねると顔のシワが増えたり、髪に白髪が増えたりするのと同じように、白内障は目に表れる加齢にともなって必ず起こる変化のひとつです。白内障は高齢者に多い「病気」ですが、だれでも加齢にともなって起こる「現象」とも言えます。患者さんたちから「白内障は遺伝ですか?」という質問を受けますが、白内障の発症に遺伝はほとんど関係ありません。
60代なら約6割、80代ならほぼ全員が罹患する!?
発症する年齢は、個人差があるため一概には言えませんが、50歳以上であれば、いつ発症しても不思議ではありません。
白内障は、60代の約6割、80代になればほぼ全員が罹患すると言われています。日本眼科学会のデータによると、白内障の推定患者数は2011年時点で約92万人、今後高齢化によってますます増えることは間違いないでしょう。白内障はこれだけ多くの人が罹患しています。
したがって、眼科クリニックで「白内障ですよ」と医師に診断されても驚くことはありません。白内障は、一般的によく見られる状態なのです。
本書『人生が変わる白内障手術』のテーマである「白内障」は、思ったよりもたくさんの人がかかっている「病気」であり、加齢による「現象」なのです(ただし加齢によるものではない特殊な白内障もあります。それについては連載第6回の「アトピー、糖尿病、外傷・・・白内障は高齢者だけの病気ではない」の回で説明します)。