自分の身近にある「わかりやすい」会社を選べる
株をはじめようと思っている人、はじめたばかりの人は「最初の株は何を買えばいいのか?」ということに悩むと思います。私がおすすめする銘柄選びの方法は、自分の身近にある、わかりやすい会社を選ぶことです。「わかりやすい」とは、会社の業種や内容のことです。
たとえば街中のうどん屋チェーン店、アイス屋さん、ファミリーレストラン……こうした業種は、いったい何を売って売上や利益を出しているのか?すぐにわかりますよね?これがわかれば、投資をはじめたばかりの初心者でも、売上と利益予想が立てやすいのです。
例を挙げましょう。年間売上高が100億円、純利益20億円、今現在100店舗を持っている会社があったとします。年間20店舗ずつ増やす計画があるとすれば、5年後には現在の2倍、200店舗になりますね。単純に計算していくと、売上は200億円、純利益は40億円になるというストーリーを描くことができます。
これはあくまでもたとえであり、実際にはこの通りにはいきません。しかし、小売ジャンルはある程度のシナリオが立てやすいため、将来の株価も予想できるのが強みなのです。
[図表1]小売株は成長シナリオが描きやすい
各企業のホームページで「新規出店計画」の進捗を確認
実際、私は小売株をメインの投資先に選んで利益を出してきました。新規出店計画は決算短信で発表している会社も多いですし、四季報には年間出店計画数や総店舗数も記載されています。また、各企業のホームページには、新規出店するお店を積極的に消費者に告知するため、今度はどこに新規出店するのかが一目瞭然です。
下記図表2はアークランドサービスHD(3085)のホームページですが、下段に「出店のお知らせ」というリンクが貼られています。ここには出店場所やオープン予定日が書かれており、企業が予定通り出店しているかどうかといった確認をすることができます。
[図表2]アークランドサービスHDのホームページ
さらに飲食店などでよく見かけるのが、「月次売上高」という発表です。これは、昨年度比で売上高がどれくらい伸びているかという実績報告です。具体的な売上高、利益は掲載されておらず、企業ごとにも記載項目が違うため月次売上高のチェックに共通パターンは存在しませんが、成長路線が続いているかどうかという判断材料のひとつになるため、チェックすることをおすすめします。
下記図表3は同社の月次売上高の資料です。資料は直営店のみでフランチャイズが含まれていないため、これですべてを予想できるわけではありませんが、全店で売上高が100%を超えていること(全店とは新規出店を合わせた店舗のこと)、客単価もほぼ横ばいであることから、おおむね順調であると判断できます。フランチャイズの前年比が含まれていないため、予測の部分はありますが、同じ店舗なので大きな差はないと判断することができます。
[図表3]アークランドサービスHDの月次売上高の資料