今回は、700万円、1500万円という年収別に不動産投資のポイントを見ていきます。※本連載は、マネー総合研究所・所長の杉田卓哉氏の著書、『外貨積立から不動産投資まで 今すぐ資産を増やす「マネー新常識」』(サンライズパブリッシング)より一部を抜粋し、自身の労働時間に依存することなく、大きな収入を得るための資産運用の方法を紹介します。

年収700万円以上なら「アパートローン」の利用を

年収700万円以上という中属性の人は、アパートローンを使って不動産投資を始めます。

 

この商品が住宅ローンと似ているところは、給与収入の一定倍率まで借り入れることが可能なパッケージ商品という点です。ただ、倍率の桁が違います。住宅ローンは年収の6〜10倍というのが一般的ですが、アパートローンは10倍〜30倍、複数の金融機関を利用すれば70倍程度まで可能です。

 

年収700万円であれば、最大で5億円のローンが組めるのです。家賃収入という返済原資があるためにここまで高いレバレッジがかけられるといえます。利回り10%の物件を手に入れられれば、年間家賃収入は5000万円ほど。ローン返済や経費を考えると、キャッシュフローは1000万円といったところでしょう。

 

物件の買い増しと並行して、経費の節減も進めます。

 

具体的にはレートダウン、つまり金利の低減化です。不動産投資の黒字が2期以上続けば、金融機関と金利の交渉をすることが可能になります。応じてくれない場合には、リファイナンス、つまり借り換えという方法もあります。こちらも黒字2期以上連続が前提です。

 

借り入れ期間が長く金額が大きいアパートローンでは、金利のコンマ数%がキャッシュフローに大きく影響します。不動産投資を行なっていくのであれば、レートダウンかリファイナンスは必須です。

 

節税も重要です。特に中古物件の場合、返済期間の後半には減価償却(※)が完了していることもあり、下手をすると納税額がキャッシュフローを上回り実質的に赤字になることすらあります。

 

タックス・プランニング(納税・節税の計画)は不動産投資と財産形成の両者にとって非常に重要です。

 

減価償却・・・税金計算上、建物の取得費用を数十年にわたって少しずつ経費化(所得から差し引く)すること。

年収1500万円超なら「不動産管理法人」の設立が有効

サラリーマンや医師や弁護士などの士業などで年収1500万円を超えている、いわゆる高属性の人も、基本的な流れは上記と同様です。年収が高い人、金融資産を多く持っている人は金融機関による評価も高く、最初から大きい規模での不動産投資を行なうことができます。

 

このクラスの収入になると、多くの人は不動産管理法人を設立したほうが節税になります。所得税は所得が増えるにしたがって税率が高くなる累進課税制を採用していますが、法人税の税率は所得にかかわらず一律なので、年収が高い人ほど法人をつくるメリットが大きくなるのです。

 

ただ、法人名義で借りるといっても、設立1年目の会社に融資をしてくれる金融機関はそうそうありません。そこで、代表取締役である自らが保証をすることによって、ローンを組むことができるようになります。

 

以前は年収さえ高ければ貸してくれる傾向にありましたが、最近のローン審査では資産、とくに現預金をいくら持っているかを重要視するようになってきています。最初から本業並みの収入を不動産投資で得たいのであれば、最低でも金融資産1000万円はほしいところです。

 

年収が1500万円もあって現預金が数十万円、数百万円という人は、どこかに無駄使いがあるはずです。第1ステップで紹介したお金の流れの可視化に取り組めば、すぐに1000万円くらいは貯められると思います。

 

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杉田 卓哉

サンライズパブリッシング

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