よい情報や案件は「よい人脈」からしか得られない
不動産投資のスキームは、一言で言えば「融資を受けて不動産を買い、誰かに貸す」というものです。購入する物件の選定や価格交渉は、収益を生む物件を手に入れるうえで非常に重要な要素です。
物件購入にとってもっとも大切にすべきは人間関係です。よい情報や案件はよい人脈からしか来ません。知らない人からよい(と思える)話がきたら、それは単なる営業です。不動産会社や投資家仲間との日常的な関係づくりが欠かせません。
彼らとはセミナーや投資家同士の飲み会などで仲良くなるのが近道ですが、ひとつ注意してほしいことがあります。それは、昔話を聞いて頭でっかちにならないことです。
不動産業界は市場トレンドの移り変わりが激しく、かつて成功したスキームが今もそのままあてはまるとは限りません。にもかかわらず、何年も前に買った物件で大きく儲けた人の話を聞くと、自分も同じようなことをしたくなります。不動産価格が低かったころの相場感覚で買おうとすると、なかなか希望に沿った物件が見つからず、結局はリスクの高い物件を摑まされることになります。他人の自慢は話半分に聞いておきましょう。
そして欲張り過ぎないことです。本書の第2章で千葉県の築古アパートを買って入居付けに苦労したことや詐欺にあった話を書きました。この2つの失敗は、利回りの高さや規模の大きさに目がくらみ、判断力を鈍らせてしまったことが原因です。
相手に「必ず買ってくれる」と思わせる買い主が有利
不動産投資を有利に進めていくためには、購入時の価格交渉(指し値)も必要です。大幅な指し値は売り主の気分を害して破談になるおそれがあるのでできませんが、諸費用を負担してもらったり、リフォーム費用を出してもらったりといった小さな交渉は可能だと思います。たまに相続した物件を、遺産分割や納税などのために急いで売るようなケースもあり、そのような場合は大幅に指し値ができるチャンスです。
価格交渉では、「必ず買ってくれる」と思わせられる買い主が強さを発揮します。現金で買うことができれば交渉はかなりしやすく、融資の場合は金融機関から確約をとっていれば強気で応じることができます。