今回も、ふせんを活用した要因分析の進め方を取り上げます。自問自答しながら、ヒントを探す方法を見ていきましょう。※本連載は、マーケティング経営コンサルタントとして年間100泊近くの出張でセミナーを行う傍ら、中小企業診断士として多くの執筆にも携わるMORE経営コンサルティング株式会社代表取締役・日野眞明氏の著書『ふせん1枚から始める「事業計画」』(三恵社)の中から一部を抜粋し、ふせん1枚から始める事業計画の作成方法について解説します。

思い込みを捨てると「商売のヒント」が見えてくる!?

前回の続きです。

 

①思い込みをなくしましょう

 

最初は「こんなことを書いたら馬鹿にされるかも」とか「生半可な知識だから書くのはよそう」とか「プライベートなことを文字にするのはいやだ」などと考えるかもしれません。

 

しかし、立派な言葉も複雑な考えも必要ありません。一人で行うのですから、プライバシーだって関係ありません。

 

そして実は、あえて書かなかったことにこそ、「好きになってもらう」商売の最大のヒントが隠されていることが多いのです。

 

あなたのすべてを、ポスト・イットにぶちまけてください。

言葉を書いたら「それで?」と自分に問いかけてみる

②心に「つっこみ役」を育てましょう

 

とはいえ、最初はなかなか思いつかないものです。20分もすればネタが尽きます。ひどい場合は、20枚も書かないうちにペンを放り出してしまう方もいらっしゃいます。

 

そこで、何かを思いついたら、とりあえずその言葉を書き、次にその言葉について「それで?」と自分に問いかけてみましょう。

 

そしてまた、思い浮かんだ言葉をポスト・イットに記したら、再び「それで?」と自問自答するのです。

 

この作業を、ある固有名詞(人や商品、場所、組織などの名前)に行き着くまで繰り返しましょう。たとえばこんなふうに。

 

「とびきりおいしい新製品の開発」

つっこみ役、以下「つ」(おいしいってなんだよ?)

「甘みを抑えて素材本来の味を活かした味」

つ(素材だっていろいろあるぜ。具体的に言ってみ?)

「地元特産のいちご」

つ(で、そんなもん作って、誰に売るんだ?)

「若い女性」

つ(若い女性じゃわからんだろ。誰だよ。言ってみな)

「店によく買いに来るOLのさちこさん」

 

しかし次から次へと言葉が浮かんでくるなら、こんなまどろっこしい手順を踏む必要はありません。泉のごとく湧き出る言葉を片っ端からポスト・イットに書き出してください。

本連載は、2017年6月1日刊行の書籍『ふせん1枚から始める「事業計画」』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

ふせん1枚から始める『事業計画』 たった1日でできる“戦略シート”のつくり方

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日野 眞明

三恵社

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