今回も、ふせんを活用した要因分析の進め方を取り上げます。過去・現在・未来の時間軸でとらえ、発想の幅を広げてみましょう。※本連載は、マーケティング経営コンサルタントとして年間100泊近くの出張でセミナーを行う傍ら、中小企業診断士として多くの執筆にも携わるMORE経営コンサルティング株式会社代表取締役・日野眞明氏の著書『ふせん1枚から始める「事業計画」』(三恵社)の中から一部を抜粋し、ふせん1枚から始める事業計画の作成方法について解説します。

思い浮かんだ言葉の「過去・現在・未来」を書いてみる

前回の続きです。

 

③過去・現在・未来を考えてみましょう。

 

ある言葉が思い浮かんだら、その言葉の「過去・現在・未来」を書いてみるのもよいでしょう。たとえばこのような感じです。

 

(現在)「ガソリン代高騰、利益減少」

        ↓

(過去)「円高で利幅が増えたこともあった」

        ↓

(未来)「為替や相場に左右されない、経営体質にしたい」

 

過去・現在・未来を考えてみると、1つの思いつきが3倍になります。ぜひ試してください。

 

 

④目標を定めましょう目標がはっきりすると、人間誰しも燃えるものです。

 

自分が設定した目標を達成したら、自分にごほうびをあげるなどというのもいいですね。moreメソッドでは、次の数を最低目標に設定しています。

 

・黄――――250枚

・ピンク――150枚

 

さらにmoreメソッドは、フランス、中国、ブラジル、メキシコ、フィリピン、トンガなどの外国人の方にも実施しました。これまでの世界最高記録は、

 

・黄――――573枚

・ピンク――446枚

 

です。ちなみに、moreメソッドを試された最高齢者は76歳でした。その方の記録は「黄180枚、ピンク150枚」です。

 

いずれを目標にしてもかまいませんが、どうせなら世界記録に挑戦してみてください。moreメソッドでは、ポスト・イットの書き出し数が増えれば増えるほど、事業計画書の完成度が高くなります。

 

つまり、目標をクリアした時に得られる本当のごほうびは、精度の高い分析結果だというわけです。どうでしょう? モチベーションは上がったでしょうか?

メソッドを繰り返すうち、集中できる時間も長くなる

記録を樹立するような方々には、ある傾向があります。それは最後の10分間にラストスパートができるという点です。

 

初めてこのメソッドを試す方であれば、最初の10分でヘトヘトになってしまうでしょう。ところが、何度か行ううちに、20分、30分と集中できる時間が長くなっていきます。ふだんからメソッドを意識することで、ニュースや日常会話、世の中の37動きに対する感受性が高まるからです。

 

しかしそれでも、30分をすぎると、言葉が湧いてこない人がほとんどです。しかし、ここであきらめて、ペンを放り出してしまうのではなく、ここから、「もうひとがんばり!」してください。

 

すでに脳みそは疲れきっていますが、だからこそ、自分でも気づかなかった無意識の言葉が湧いてくるのです。

 

わたしの経験から申し上げると、すらすらと書くことができた最初の10分の言葉より、最後の10分に無理やりひねりだした言葉のほうが、新しい商売につながる可能性が高いようです。

 

マラソンはトラックに戻ってから、競馬は最終コーナーを回ってからが勝負。moreメソッドも残り10分が大切です。自分自身に愛のムチを振るってください。

本連載は、2017年6月1日刊行の書籍『ふせん1枚から始める「事業計画」』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

ふせん1枚から始める『事業計画』 たった1日でできる“戦略シート”のつくり方

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日野 眞明

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