今回は、ふせんに書き込んだ言葉から、自社とそれを取り巻く外部環境を分析する方法を見ていきます。※本連載は、マーケティング経営コンサルタントとして年間100泊近くの出張でセミナーを行う傍ら、中小企業診断士として多くの執筆にも携わるMORE経営コンサルティング株式会社代表取締役・日野眞明氏の著書『ふせん1枚から始める「事業計画」』(三恵社)の中から一部を抜粋し、ふせん1枚から始める事業計画の作成方法について解説します。

基準をもとに選んだ20点を「順位付け」して並び替え

前回の続きです。

 

②各グループから20点を選ぶ

 

①でまとめた4つのグループ内から、次を基準にして、それぞれ20点のポスト・イットを選び出しましょう。

 

●黄のプラス(+)グループ

基準――自社や自分が強調したいこと

→黄のBEST(ベスト)グループ

 

●黄のマイナス(-)グループ

基準――現在、気になっていること

→黄のWORST(ワースト)グループ

 

●ピンクのプラス(+)グループ

基準――自社にとって「追い風」となること

→ピンクのBEST(ベスト)グループ

 

●ピンクのマイナス(-)グループ

基準――自社にとって「向かい風」となること

→ピンクのWORST(ワースト)グループ

 

これで整理の第2段階が完了しました。20点から漏れたポスト・イットは、別の紙に移し、引き出しにしまってください。これ以降、使用するのは、4つのグループ内で選んだ各20点のポスト・イットのみです。

 

③選んだ20点をランキング順に並び替える

 

最後に、選び出した各20点のポスト・イットを、次のランキング基準にのっとって並び替えましょう。

 

●黄のBESTグループランキング

基準――お客さまにアピールしたい順

 

●黄のWORSTグループランキング

基準――自分の関心が高い順

 

●ピンクのBESTグループランキング

基準――自社に望ましい順

 

●ピンクのWORSTグループランキング

基準――起こってほしくない順

 

なお、要因分析シートで「BEST(ベスト)、WORST(ワースト)」という言葉を使っているのは便宜上です。あくまで上記のランキング基準に従って、並べ替えを行ってください。さあ、これで第3段階も完了しました。ポスト・イットの整理はこれで終了です。

整理した4つのグループの「それぞれの意味」とは?

④整理したポスト・イットからわかること

 

この整理された4つのグループには、次の意味があります。

 

●黄のBESTグループ

意味→自社の「強調したいこと」

 

●黄のWORSTグループ

意味→すぐに取り組むべき「課題」

 

●ピンクのBESTグループ

意味→自社の「ビジネスチャンス」

 

●ピンクのWORSTグループ

意味→自社にとっての「落とし穴」

 

ここまでの作業で、みなさんは自社とそれを取り巻く外部環境を分析したことになります。分析ですから、サンプルは多ければ多いほどよいのです。ポスト・イットへ書き込む数を可能な限り増やしましょうと、みなさんを叱咤激励したのは、そのためです。

 

さて、ここで作業はひと段落です。10分ほど休憩をとりましょう。コーヒーを飲んだり、体操をしたり、甘いモノを食べたりして、気分を落ち着かせてください。

 

次はいよいよ、ポスト・イットの言葉を商売につなげてゆきます。この後は、戦略シートに落とし込み、下記にある「moreメソッド」の次の作業を行っていきます。詳しくは筆者著書『ふせん1枚から始める「事業計画」』にて詳述しています。

 

本連載は、2017年6月1日刊行の書籍『ふせん1枚から始める「事業計画」』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

ふせん1枚から始める『事業計画』 たった1日でできる“戦略シート”のつくり方

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日野 眞明

三恵社

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