前回は、非自立型社員を成長させる「経営者の厳しい対応」について取り上げました。今回は、社員のモチベーションを上げる会社の雰囲気作りについて見ていきます。

人間は「明るい雰囲気の場所」に引き寄せられる

引き寄せ効果で会社に求心力が生まれる。ところで「引き寄せ効果」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

 

人間はだれしもある条件がそろうと、その場所に引き寄せられる習性があるという。この「場所」という言葉には、光る人が存在する所であったり、会社や組織といった抽象的な目に見えないものも含まれる。

 

あなたが経営する会社や社員をこうした引き寄せ効果をもった「場所」にすることで、実際以上に働きやすく、安心できる組織にすることができる。それによって会社には求心力が生まれ、多くの社員が自立型社員に向かって一歩を踏み出してくれることが期待できる。社員を成長させたいと思ったら、ちょっとした演出をしてみることも効果がある。

 

人間は明るい雰囲気の場所に引き寄せられるから、社内の照明も明るめがいいし、古くて暗い建物より、明るくて陽射しの入るくらいの建物の方がよい。

 

会社の業績が上がると経営者は古い建物からより新しい建物に引っ越したがる。また自前の社屋を建てたりするが、あれは理に適っているといえる。

 

社屋にカネをかける前に利益は社員に還元するという考えの経営者もいるだろうが、明るい会社にすれば社員の気分も明るく楽しくなり、さらに業績も伸び、給料も上げてあげられる。結果的に社員に還元することにもなるのだ。

感動・真心・愛といった「人間臭い」ものも必要

また社内の明るさというものは、単純に採光や壁の色といったものだけからくるわけではない。朝の挨拶とか営業から帰ってきた社員への労いの言葉など、ちょっとした言葉ひとつでもパッと明るくなるものだ。

 

さらに、些細なことでもいいから、何か良いことをした社員がいたら、褒めることも大切だ。褒められれば、だれでも気分が明るくなる。当然のことだ。顧客を訪問して叱られてももどってきた会社で、今日も笑顔がいいねと褒められれば、またがんばって働こうという意欲が湧いてくる。

 

仕事場に感動や真心、愛といった言葉は場違いのように感じる経営者もいるかもしれないが、それは間違いだ。

 

とかく金儲けばかりを優先するあまり殺伐とした雰囲気になってしまいがちな会社は、感動や真心、愛といった人間臭いものが必要な場合もある。先にもふれたが、金儲け、つまり事業によって利益を得ることは、会社を存続させるために必要な道具にすぎない。

 

大切なのは仕事を通じて生まれる感動、人間と人間の出会いやふれ合いから伝わってくる真心だ。真心は顧客も変えるし、社員同士の関係も変えていく。そして最終的に生まれるのは「愛」だ。ズバリ「愛」というのが恥ずかしければ「愛社精神」でもいいだろう。言葉はどうでもいいが、会社に愛を感じられるようになれば、社員はぐっと元気になる。

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