本連載は、税理士法人恒輝・代表社員で税理士の榎本恵一氏、渡辺人事経営研究所・所長で特定社会保険労務士の渡辺峰男氏、人事戦略研究所・代表で社会保険労務士の吉田幸司氏、YMG林会計グループ・代表で税理士の林充之氏、税法・会計学の講師である柳綾子氏の共著、『知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2018年版』(三和書籍)の中から一部を抜粋し、「結婚退職」「出産」に関する年金・税金の基礎知識を紹介します。

国民年金の「第3号被保険者」に

厚生年金の被保険者と結婚した場合、国民年金第3号被保険者となります。第3号被保険者とは、厚生年金被保険者(国民年金第2号被保険者)の被扶養配偶者のことをいいます。

 

第3号被保険者になると国民年金を直接納付する必要はありません。納付していなくても国民年金を納付していたものとみなされ、将来それに見合う老齢基礎年金が受給できます。納付しなくても受給できるのは厚生年金から基礎年金拠出金という形で国民年金に第3号被保険者の保険料が払い込まれているからです。

 

かといって配偶者の厚生年金保険料が上がることはありません。第3号被保険者の手続きは配偶者の勤務している事業所で行ってもらってください。

被扶養配偶者になるには「年収130万円未満」が条件

ここで、注意してもらいたいのは失業保険を受給している間は被扶養配偶者になれないケースがあるということです。被扶養配偶者になるためには、年収が130万円未満でなければなりません。

 

ここでいう年収とは、前年度の年収や過去1年間の年収のことではありません。これから先のことを言っているのです。失業保険を3,612円(130万円/360日)以上受給している人は第3号被保険者になることはできません(待機期間と受給制限期間中は第3号被保険者になることができます)。

 

したがって失業保険をもらい終えるか、もらうことを放棄しない限り第1号被保険者として国民年金の保険料を納付する必要があります。自営業者などの国民年金第1号被保険者と結婚した場合も国民年金第1号被保険者になります。

 

国民年金第1号被保険者の手続きは、住所地の市区町村で行ってください。

 

[図表]結婚退職で年金はこうなる

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2018年版

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2018年版

榎本 恵一,渡辺 峰男,吉田 幸司,林 充之,柳 綾子

三和書籍

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