今回は、健康保険の「出産費貸付制度」の基礎知識を紹介します。※本連載は、税理士法人恒輝・代表社員で税理士の榎本恵一氏、渡辺人事経営研究所・所長で特定社会保険労務士の渡辺峰男氏、人事戦略研究所・代表で社会保険労務士の吉田幸司氏、YMG林会計グループ・代表で税理士の林充之氏、税法・会計学の講師である柳綾子氏の共著、『知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2018年版』(三和書籍)の中から一部を抜粋し、「結婚退職」「出産」に関する年金・税金の基礎知識を紹介します。

危険業務、重量物を扱う仕事は禁止されている

妊娠中と産後1年未満の女性に対する制限もあります。こちらは法律で決められた義務ですから、会社はこれらを守らなければなりません。ひとつは、危険業務に就かせることの禁止です。例えば有毒なガスが発生するような場所で仕事をさせることなどはしてはいけません。

 

それと重量物を扱う仕事もさせてはいけません。重量物とは、通常の仕事の範囲でいえば20kg、時たまある仕事でも30kg以上の物を扱う仕事のことです。

出産費を無利子で貸す「出産費貸付制度」の利用条件

全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者とその家族が出産すると出産育児一時金として1人最高42万円の支給が受けられます。しかし、手続きをしてから支給されるまで少し時間がかかります。ですから、手持のお金に余裕がないと出産費用が払えないということも起こります。

 

そんな時に、全国健康保険協会で手続きをすれば、「出産費貸付制度」を利用できます。これは、次の1 〜3のすべての条件にあてはまる人に出産育児一時金見込額の8割のお金を無利子で貸してくれる制度です。

 

1.全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者またはその扶養家族である。

 

2.出産育児一時金を支給される見込がある(出産育児一時金直接払制度を利用しない)。

 

3.出産予定日まで1か月以内。または、妊娠後4か月以上で医療機関に一時的な支払の必要がある。

 

この制度を利用した時の返済は、出産後に支給される出産育児一時金から行います。

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2018年版

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2018年版

榎本 恵一,渡辺 峰男,吉田 幸司,林 充之,柳 綾子

三和書籍

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