本連載では、ウォーレン・バフェットをはじめとする現代の大物投資家の元祖ともいえる、江戸時代の米相場師の格言から、株式投資における「買い」の極意について解説します。

人気銘柄を買いそびれても「損」はしない

通常、株式投資は「買い」からスタートしますから、「いつ買うか」という買いのタイミングを探ることが非常に重要になります。その際の心構えとして大切なのが、筆者著書『「江戸のウォーレン・バフェット」に学ぶ常勝無敗の株投資術』第1章の冒頭でもお伝えした「焦ってはいけない」です。

 

株を買おうと考えると、できるだけ早く銘柄を決めて早く買いたいとなりがちです。しかし、「早く買わないと」という焦りがあると、今まさに上がっている人気の銘柄に飛びついて、買いのタイミングを間違えることになりかねません。

 

「買い」の場合、その銘柄を買わなかったからと言って、自分が損をすることはありません。上がっているのを見て「買えばよかったなあ」と残念に思うくらいで、懐はまったく痛まないのです。

 

しかも、現代の株式市場には約4000銘柄が上場しています。買いそびれてすでに高値になっている株をわざわざ追いかける必要はなく、これから上がるほかの銘柄を探せばいいだけです。多くの場合、一銘柄だけが上がる相場というのはなく、必ずほかにも上がる銘柄があるはずなので、その中から適切なものを探して買うことが得策です。

 

そもそも、仕事でトレードをしているのでなければ、どうしても今日買わなければならないというものではないでしょう。株式市場は、営業日であれば明日も来週も来年もやっています。米相場の格言ではありませんが、「相場は明日もある」という格言もあります。慌てて買って損をするよりは、しっかりと買い場を探して、よりよいタイミングで買うことを心掛けましょう。

下落しているときこそが「買い場」

買いのタイミングを示唆する米相場の格言には、筆者著書『「江戸のウォーレン・バフェット」に学ぶ常勝無敗の株投資術』第1章でも紹介した「千人の逆を行け」や、「弱人気の逆で買う」「大逆鞘は買い」などがあります。

 

要は、ほかの人が売っていて、下落しているときこそが買い場だということです。もちろん、ただ下落しているところを買うのでは「落ちるナイフ」をつかんでしまう可能性もあります。そうではなく、下落しきったところ、つまりは「売る人がいなくなったところ」を見極めることが重要です。

 

では、どうやって下落しきったところを見つければよいのでしょうか。具体的な買い場は、チャート上のローソク足の変化などから探していくことになります。もちろん、実際に買う際には、どんな要因で下げているのか、業績や事業の見通しはどうなっているのかといった事柄からの確認も必要になります。

本連載は、2018年2月2日刊行の書籍『「江戸のウォーレン・バフェット」に学ぶ常勝無敗の株投資術』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「江戸のウォーレン・バフェット」に学ぶ 常勝無敗の株投資術

「江戸のウォーレン・バフェット」に学ぶ 常勝無敗の株投資術

清水 洋介

幻冬舎メディアコンサルティング

「どうもうまくいかない」「なかなか儲からない」これこそ株式投資で誰もが必ず直面する問題……。 そんな悩みを解決すべく、時代を超えても通用する、先人たちの投資成功術をまとめた一冊。 どんな時代にも通用する「株式投…

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