税務調査でも指摘されるケースが多い「名義預金」
相続税の税務調査は相続税申告全体の4~5件に1件、そのうち8割を超える方が追徴課税を払います。相続税は、税のなかでは税務調査が入る確率、追徴課税を支払う確率がとても高い税といえます。
そのなかでも名義預金はよく指摘される事項です。名義預金がきっかけで税務調査が入ると、他の財産もくまなく確認されますので、名義保険があれば指摘事項になるでしょう。
遺産分割対策や相続税の納税、節税対策を行うことも大切ですが、きちんと申告できる準備を事前にすることも大切な対策です。名義預金は、額がわかっていれば最初からその額を資産に計上し、全体の財産額を計算し、他の対策を進めればいいのですが、額がはっきりしない、高額になるといった場合などは全体の財産額に影響を与えるので、まずは名義預金の把握を行うことが先決です。この名義預金や名義保険の対策は他の対策と並行して進められますので、しっかり整理しておきたいところです。
「生命保険の非課税枠」に目が行きがちだが・・・
また、相続税の非課税枠を使いたいと思って加入した生命保険の契約者、被保険者、受取人の関係が相続税の扱いになっておらず、非課税枠が使えないというケースも現場では多く見られますので併せて整理したいポイントです。生命保険の非課税枠は、加入しているだけで法定相続人×500万円が非課税になりますから、必ず活用したい対策の一つです。
加入の方法も気をつけたいポイントですが、生命保険は遺産分割の対象にならないことを忘れずに対策を行ってください。生命保険を考える際には、非課税枠に目が行きがちですが、遺産分割で揉めないという前提あっての節税対策です。
名義預金、名義保険、生命保険のトラブルの相談は実務上とても多いので、相続対策を進めるうえではきちんと整理をしましょう。