前回に引き続き、企業の経営課題の洗い出しに不可欠な「内外環境」の分析を取り上げます。今回は、「SWOT分析」「5フォース分析」について解説します。

4つの視点から内外環境などを分析する「SWOT分析」

前回の続きです。

 

●SWOT分析

①強み(Strength)、②弱み(Weakness)、③機会(Opportunity)、④脅威(Threat)の4つの視点から、地域性や業界環境等の外部環境、商品・サービスの独自性や経営者の個人的特性等の内部環境を分析する手法が「SWOT分析」です。

 

自社の強みを活かし、弱みを克服するための経営戦略を具体的に策定するために用いられます。

 

[図表1]SWOT分析の例

日本政策金融金庫ホームページ掲載「SWOT分析表(例)」をもとに作成
日本政策金融金庫ホームページ掲載「SWOT分析表(例)」をもとに作成

業界の競争環境を考察する「5フォース分析」

●5フォース分析

「5フォース分析」は、5つの競争要因をもとに業界の外部環境(競争環境)を分析する手法です。

 

5つの競争要因は、①売り手、②買い手、③競争業者、④新規参入業者、⑤代替品です。これらの要因をもとに、その業界が儲かっているのか、将来性、成長性があるのかなどを分析していきます。

 

具体的には、「①売り手」が強い交渉力を持つ場合には収益性が低くなる一方、「②買い手」の交渉力が強い場合にも販売価格を抑えられるため、収益性が低くなる傾向があります。

 

また、「③競争業者」が多ければコスト競争等が激しくなるかもしれません。参入障壁が低く、「④新規参入業者」が現れやすい環境、同じような機能を持つ「⑤代替品」を作られやすい業界の場合も同様です。

 

[図表2]5フォース分析のイメージ

 

これらの分析手法はどれもそれほど複雑ではないので、素材となるデータさえ揃っていれば2時間ほどで作業を終えることができるでしょう。もし、「独力では無理」と思うのであれば、経営コンサルタントなど専門家のサポートを受けながら行う方法もあります。

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大磯 毅/中山 昌則

幻冬舎メディアコンサルティング

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