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経営計画策定の課題…「不採算部門・赤字事業」への対処法

前回は、経営計画の作成に不可欠な「経営上の問題点」の探し方を取り上げました。今回は、経営計画策定の課題における「不採算部門・赤字事業」への対処法を見ていきます。

取るべき選択肢には「改善・撤退・放置」があるが…

経営計画を策定するうえでは、不採算部門や赤字事業の取り扱いも重要な課題の1つです。不採算部門や赤字事業がある場合、取るべき選択肢は「改善」「撤退」「放置」のいずれかになります。

 

当然、はじめに試みるべきは「改善」です。たとえばメーカーであれば、各製品の原価計算を実施することにより、材料費や労務費、経費といった原価構造を適切に把握し、利益率改善のための施策を講じるといった対策が考えられます。

 

この場合、個々の製品にまで踏み込んだ損益分析が求められますが、そのためには管理会計の知識が必要です。

 

また、どうしても改善が難しいようであれば撤退を検討することになります。すなわち不採算部門の廃止や赤字事業のクローズを考えるのです。

 

しかし、赤字であっても、より大きな黒字をもたらしてくれる取引先との関係でその事業をやめられないなどの理由がある場合には、あえて放置する(事業等を続ける)ことも合理的な判断といえるでしょう。

各取引先との「力関係」「契約関係」を改めて見直す

経営計画をまとめる作業では取引先との関係も再考します。

 

たとえば、売上のほとんどを特定の取引先に依存しているような状態では、その取引先に倒産など不測の事態が生じた場合、自社の経営に危機的な影響がもたらされるリスクがあります。

 

そこで事業を承継した際には、各取引先との力関係や契約関係が現在、どのような状況になっているのかを改めて見直すのです。

 

まず、基本的なポイントとして以下のような点を確認します。

 

●どのような取引先がいるのか

●その取引先との関係はどういう経緯で始まったのか

●その取引先との間ではどのような儲けが生まれているのか

 

こうした自社と取引先との歴史を見直すことで、長年の慣例そのままに続けてきた取引の中に、思いも寄らない赤字の原因が見つかるケースがあります。

 

さらに、取引先の成長性も考慮に入れて今後の取引関係に関する方針を検討していきましょう。「高い成長性のある取引先に対しては、多少無理のある要望にも応える」「成長性の低い相手に対しては、さしあたり必要十分な対応だけを行う」など、より多くの利益をもたらす可能性のある相手と親密な信頼関係を築いていくことが基本的なスタンスとなります。

株式会社わかば経営会計 代表取締役
公認会計士・税理士・中小企業診断士

1984年、兵庫県神戸市出身。2006年、京都大学経済学部卒業、在学中に公認会計士試験に合格し、大手監査法人・中堅税理士法人での勤務を経て、2013年に大磯経営会計事務所(現「わかば経営会計」)創業。「中小企業の未来を創造する」を経営理念に、事業承継・M&A企業再生といった中小企業向けの財務・経営コンサルティングおよび税務サービスを展開。

著者紹介

株式会社わかば経営会計 代表取締役
公認会計士・税理士・中小企業診断士

1986年、千葉県松戸市出身。2009年、慶應義塾大学経済学部卒業、在学中に公認会計士試験に合格し、大手監査法人、中堅税理士法人での勤務を経て、2013年より千葉県中小企業再生支援協議会に出向。数多くの中小企業再生支援業務(経営改善支援、金融調整業務等)に従事。2015年4月に株式会社わかば経営会計代表取締役に就任。

著者紹介

連載親族内事業承継を成功に導く「事業の見直し」と「経営計画」の作成法

 

「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

大磯 毅/中山 昌則

幻冬舎メディアコンサルティング

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