経営状況の分析のため、まずは「社内の情報」を整理
会社の概要をまとめ、経営状況を分析するためには、素材となる情報をつぶさに洗い出す作業が必要です。
たとえば、自社のビジネスモデルを理解するには、「どこから何をいくらで仕入れているのか」「どこでどのように製造しているのか」「どこに何を外注しているのか」「どこに何をいくらで売っているのか」等、取引に関する主要な情報について後継者がしっかりと把握しなければなりません。
しかし、中小企業ではこうした基本的な情報が整理されていない傾向があります。「そもそもこの取引はどのように始まったのだろう」と契約書を探しても、一向に見つからないというケースが珍しくありません。
また、事業用に借りている土地の貸主が知らないうちに亡くなっていて、「誰を相手に賃貸借契約を更新すればよいのかわからない」などというケースもあります。
したがって、事業を引き継ぐ際には、まず社内の情報を棚卸しして不明な点を明らかにしていく作業が必須となります。
具体的な分析手段のひとつ、「3C分析」とは?
経営計画では、前述のように経営課題を導き出すために自社の強みや市場、顧客など内外の環境にかかわる分析を行わなければなりません。
すでに感覚的にはわかっているところもあるかもしれませんが、そこを今一度、じっくりと客観的なデータをもとに確認することが、経営戦略を組み立てていくスタートとなります。
具体的な分析手段として、「3C分析」「SWOT分析」「5フォース分析」があげられます。
●3C分析
①顧客(Customer)、②競合他社(Competitor)、③自社(Company)の3つの観点をもとに分析を進め、自社の成功要因を探るのが「3C分析」です。
①顧客に関しては、市場全体の構造を押さえつつ、顧客のニーズや意思決定要因等を明らかにし、②競合他社については、業績動向や戦略、製品ラインナップ、人材、組織、強みや弱みなどを把握します。③自社についても競合他社と同様の要素について明確化します。
[図表]3C分析における主な考慮要素