前回に引き続き、「エンタメ業界」に専門特化した税理士の成功事例を見ていきます。今回は、低価格競争に巻き込まれない秘訣を取り上げます。

業界特有の経理処理の理解が、正確なサポートを可能に

前回の続きです。

 

どの業界でも似たようなことがあると思いますが、エンタメ業界でも特有の経理処理が必要でした。そこで正しい税計算や節税方法、経費にできる範囲や減価償却まで、あらゆる専門知識を駆使してサポートを行うことができました。

 

また、業界用語の理解も深めていたため、経営コンサルティング面でもスムーズな会話ができて、信頼関係を構築しやすく、多くの相談を受けて解決へと導いていくことができたようです。

 

それによって、お客様から「ありがとう!」と感謝していただくことができたということでした。本来、こういった感謝の言葉はお客様が心から感動していただいた時にしか頂戴することができません。しかし、それをいただけたこということが、この道が間違っていない証明でもあったし、それによって税理士として、また税理士事務所の方向性として正しい道であると確信を持つことができたということです。

特化することで「低価格競争の回避」に成功

特化することでのメリットは、二瓶先生の場合は注目を浴びて成功するというよりも、事務所を軌道に乗せていくために役立ったようです。独立して14年経過したいま、会社の規模はアルバイトを含め20名、顧問先も200社程度という規模まで辿り着くことができています。

 

現在では、料金もわかりやすいようにホームページで明示していますが、下手な低価格競争に巻き込まれないまま、顧問先との関係も良好のまま継続できています。

 

二瓶先生の事務所での行動の基本は「幸せになること」です。

 

お客様が「幸せになる」ために自分たちができることは何なのか、そのためにどのように行動したら良いのか、を考え続けていくということでした。

 

お客様にたくさんの感動を与え、そしてお客様からもたくさんの感動を与えていただき、共に成長する会計事務所でありたいと考えているようです。

 

二瓶先生自身は、経営者としてはまだまだ未熟と考えられており、56歳にしてさらなる高みを目指し勉強中、向上心も絶えず、パワフルに活躍されています。

本連載は、2016年12月9日刊行の書籍『「税理士」不要時代』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「税理士」不要時代

「税理士」不要時代

渡邊 浩滋

幻冬舎メディアコンサルティング

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