前回に引き続き、風俗業界に専門特化した税理士の成功事例を見ていきます。今回は、メディアの活用や、特殊な業界に特化することで得られた強み等について取り上げます。

書籍の刊行をきっかけに、メディアへの出演依頼が増加

前回の続きです。

 

特化したことによる現状の事務所規模や売り上げについて、松本先生は、「やはり出版の影響が大きい」と語っていました。

 

デリヘルに関しての本を出版してから全国から問い合わせが来たと同時に、ラジオやTVにも風俗顧問税理士として出演する機会がありました。それによって知名度を得ることができたので、広告費などはほぼかかっていませんし、リスティング広告などもあまり行う必要がありませんでした。ちなみにリスティング広告とは、検索エンジンを利用したときに検索結果に連動して表示される広告のことです。

 

また、2010年に制作したWebサイトも大きな成果をあげています。「風俗専門税理士事務所」経由で月に15件前後の問い合わせを受け、高確率で顧問契約や税務調査対応に繋げることができているようです。

マイナスイメージの強い業界だからこそ、差別化に成功

通常、風俗業界の顧問税理士を引き受けたとしても、世間一般に向けて声高々と「風俗業の顧問税理士である」と宣言している方はごくわずかです。

 

やはり風俗業といえば、一般的に怖い人が多そう、脱税してそう、無申告が多そう、などのマイナスのイメージがありますし、税務の世界における風俗営業は、国税庁が発表している不正発見割合の高い業種の常連であるため「脱税が多そう」というイメージも強くあります。さらに「暴力団などの反社会勢力との繋がりもありそう」というような悪いイメージが先行する業種の一つでもあります。そのため、一般のお客様からは敬遠されてしまいますし、大手でも参入してこないほどです。

 

しかしだからこそ、その業種で専門特化し、大々的にアピールすることで他税理士との差別化ができ、全国どこの事務所にも負けないノウハウやシステムなどの武器を手に入れることができたのです。

本連載は、2016年12月9日刊行の書籍『「税理士」不要時代』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「税理士」不要時代

「税理士」不要時代

渡邊 浩滋

幻冬舎メディアコンサルティング

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