銀行が直面する「アンチマネーロンダリング」にまつわる難題

前回は、マネーロンダリングに対する近年の米国当局の動きを取り上げました。今回は、銀行が直面している、「アンチマネーロンダリング」に関する5つの難題について見ていきます。

「進化する規制への対応」「コスト抑制」などの課題

前回の続きです。

 

世界的な大手銀行が、AMLの機能不全で巨額の制裁金や和解金を支払っている事例を紹介してきました。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

 

それは、AML自体が難しいからだと考えられます。

 

金融業界専門のリサーチ&アドバイザリー会社であるセレントの調査によれば、AMLに関して銀行が直面している難題は次の5つだといいます。

 

①常に進化する規制に遅れることなく対応すること

②世界的な規制の変化を、自行の地域のコンテクストで解釈し、順守すること

③複数の業務部門や国の多数のソース、システムから情報を収集し、更新すること

④増え続けるデータを管理・分析し、それらのパターン、ネットワーク、受益権所有者を特定すること

⑤厳しい経済環境のもとでコストを抑制すること

 

データ分析による「優れたアイデア」が提示可能に

①、②は組織的な課題、③、④はITシステムに関する課題です。

 

⑤は人員増ではなくITによる省力化や自動化によって解決すべき課題といっていいでしょう。

 

そして④と⑤は、まずAI活用によって④を効率化して、⑤に関わる要員をAIに置き換えていくことで解決できるのではないでしょうか。

 

セレントもこれらの難題については、AI対応ソリューションで大部分が自動化され、データ分析によってさらに優れたアイデアが提示できるようになるだろうと指摘しています。

 

本連載は、2017年12月18日刊行の書籍『AI化する銀行』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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株式会社オメガ・パートナーズ 代表取締役社長

東北大学大学院理学研究科数学専攻修了、京都大学MBA(金融工学コース)修了。
大学院修了後、富士通株式会社に入社。
金融システム・エンジニアとして、銀行勘定系システム開発プロジェクト、および証券取引システム開発プロジェクトに参画。
その後、みずほフィナンシャルグループのクオンツ・アナリストに転身し、デリバティブ・ビジネスやリスク管理業務に従事。
株式会社Sound-Fの金融工学部門のマネージャーを経て2015年から現職。
近年では高度市場系金融システム開発プロジェクトへの参画や、金融業務向け人工知能開発、
ブロックチェーンを活用したインフラ構築ビジネスに従事している。

著者紹介

AI化する銀行

AI化する銀行

幻冬舎メディアコンサルティング

AIの導入によって日本の銀行が、そして銀行員の働き方が劇的に変化します。 単純作業は真っ先にAIに切り替わり、早いスピードと高い精度で大量の業務がさばかれていきます。 さらに、属人的な業務でさえも、AIが膨大なデータ…

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