前回は、投資信託の購入を例に、「ロボットアドバイザー」の活用がもたらすメリットを取り上げました。今回は、ロボットアドバイザーによって、投資信託購入のハードルが下がる理由等について見ていきます。

集客ツールとしてのロボットアドバイザーの役割

営業支援ツールだとしたらなぜ、スマホアプリやWebサイトでロボットアドバイザーを公開しているのでしょうか。

 

これは投資信託に対するハードルを下げて、見込み客を増やすためです。投資信託というと、ある程度以上の年収があり、年齢層も比較的高い人たちが利用するイメージがあります。

 

しかしスマートフォンなどで簡単に診断ができ、提案もしてもらえるのであれば、若い人や収入が平均クラスの人も検討することができます。

 

なかには、かなりの資産を持ちながら投資信託に興味がなかった人たちもいることでしょう。ロボットアドバイザーを公開すれば、こういった人たちのなかでも一定割合の人が投資信託に興味を持つようになるはずです。

 

ロボットアドバイザーが普及したら営業担当者が不要になるかと言えば、そうではありません。実際には、ユーザーが自分でリバランスをするのはなかなか難しく、営業担当者に相談する人が多数いるはずです。そこに営業担当者の出番があります。

 

この場合、相談者はすでにさまざまな情報をロボットアドバイザーに入力していますので、商談で大きな部分を占めるヒアリングがほとんど終わっていることになります。つまり商談のスピードが速くなります。またリバランスを考えているということは、商品に関心があるということですから、無理に口説かなくても購入してもらえる確率が高いということになります。

 

営業担当者としては大いに手間と時間が省け、また成約率も高まるので、ロボットアドバイザーは自分の仕事を奪うものではなく、営業成績を向上させるツールと考えるべきでしょう。

ロボットアドバイザーについてのまとめ

ロボットアドバイザーについて見てきました。ここでまとめておきましょう。

 

①投資信託ではロボットアドバイザーが普及

銀行、投資運用会社、証券会社などが次々と投資信託のロボットアドバイザーをネットで公開しており、スマートフォンなどで簡単に投資信託の購入ができるようになりました。

 

②ロボットアドバイザーは営業サポートツール

ロボットアドバイザーは熟練営業のノウハウをシステム化して、非熟練営業をサポートし、育成するツールとしても活用されています。

 

③ロボットアドバイザーで集客

ロボットアドバイザーをネット上で公開することで、投資信託へのハードルが下がり、今まで検討もしなかった人たちが新たに興味を持つようになるでしょう。

AI化する銀行

AI化する銀行

長谷川 貴博

幻冬舎メディアコンサルティング

AIの導入によって日本の銀行が、そして銀行員の働き方が劇的に変化します。単純作業は真っ先にAIに切り替わり、早いスピードと高い精度で大量の業務がさばかれていきます。さらに、属人的な業務でさえも、AIが膨大なデータから…

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