不正の予防には、熟練した監査法人が必要だが・・・
トレーダーやファンドマネージャーは厳しく結果が求められます。そのためインサイダー取引などの不正行為を犯してしまうことがあります。あるいは、社内ルールを破って、リスクの大きい、失敗したら会社に大きな損失を与えてしまう取引をしてしまい、実際に巨額の損失を被ることもあります。
こういったことを未然に防ぐためには、不正行為のパターンを熟知し、兆候を発見できる監査人が必要です。とはいえ、トレーダーが実行する膨大な取引数に比べて監査人の数が不足していました。
AIが「従業員の会話」や「メール記録」を監視
トレーダーやファンドマネージャーだけではありません。2012年にLIBOR金利(ロンドン銀行間取引金利)の不正操作が発覚し、米英スイス当局がUBSに対して14億スイスフラン(約1470億円)の課徴金を課すという事件が発生しました。
つまり金融不正は、銀行経営にとって非常に大きなリスクになったということです。
こうした金融不正への対策として、AIを活用する動きが出てきています。そのなかでも活用が進んでいるのが、AIによって従業員の会話やメール記録を監視し、不正を未然に防止したり、実際に被害が出る前に食い止めたりするという方法です。