AIトレーダーの活用で、約2.5億ドルもの人件費削減に
前回まで、トレーディング業務でのAI活用について見てきました。ここで全体を振り返っておきましょう。
①大量のトレーダーがAIに置き換わっている
ゴールドマン・サックスでは2000年に600人いた人間のトレーダーのほとんどがロボットトレーダーに置き換わり、2017年では2人だけとなりました。これにより単純計算で2.5億ドル以上の人件費削減ができたといえます。
情報収集において、人間をはるかに凌駕する能力を発揮
②成績のいいトレーダーの手法はAIの得意分野
成績のいいトレーダーは長期的運用では情報収集と分析、短期的運用では取引パターンの解析が得意ですが、AIにとってもこれらは得意分野で、人間をはるかに凌駕する能力を発揮することができます。
③タイミングよく売買することについては桁違いにAIが強い
AIは1000分の1秒以下で取引を実行することができ、人間には不可能な頻度で細かくポジションを確定して、確実に利益を積み重ねていきます。
トレーディングでは、今まで人間ができなかったことがAIによってできるようになり、同時に人件費削減によるコストダウンも実現し、サービスレベルが向上したといえるでしょう。