前回は、1000分の1秒以下の速度で株の売買を行う、HFT(高頻度取引)の実際について取り上げました。今回は、銀行のトレーディング業務における「AI活用」について、改めて見ていきます。

AIトレーダーの活用で、約2.5億ドルもの人件費削減に

前回まで、トレーディング業務でのAI活用について見てきました。ここで全体を振り返っておきましょう。

 

①大量のトレーダーがAIに置き換わっている

 

ゴールドマン・サックスでは2000年に600人いた人間のトレーダーのほとんどがロボットトレーダーに置き換わり、2017年では2人だけとなりました。これにより単純計算で2.5億ドル以上の人件費削減ができたといえます。

情報収集において、人間をはるかに凌駕する能力を発揮

②成績のいいトレーダーの手法はAIの得意分野

 

成績のいいトレーダーは長期的運用では情報収集と分析、短期的運用では取引パターンの解析が得意ですが、AIにとってもこれらは得意分野で、人間をはるかに凌駕する能力を発揮することができます。

 

③タイミングよく売買することについては桁違いにAIが強い

 

AIは1000分の1秒以下で取引を実行することができ、人間には不可能な頻度で細かくポジションを確定して、確実に利益を積み重ねていきます。

 

トレーディングでは、今まで人間ができなかったことがAIによってできるようになり、同時に人件費削減によるコストダウンも実現し、サービスレベルが向上したといえるでしょう。

本連載は、2017年12月18日刊行の書籍『AI化する銀行』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

AI化する銀行

AI化する銀行

長谷川 貴博

幻冬舎メディアコンサルティング

AIの導入によって日本の銀行が、そして銀行員の働き方が劇的に変化します。単純作業は真っ先にAIに切り替わり、早いスピードと高い精度で大量の業務がさばかれていきます。さらに、属人的な業務でさえも、AIが膨大なデータから…

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