前回は、AIを活用したヘッジファンドの代表例を紹介しました。今回は、クオンツ運用を「AI化」するメリットについて解説します。

AIの強みを生かし、人間の能力を上回る分析が可能に

クオンツ運用のAI化とは、一言でいうと「金融工学を駆使して資産運用するファンドマネージャーを自動化および能力強化」したものです。

 

人間のファンドマネージャーの業務は簡単にいえば、モニターを見ながら、投資判断をするといったものです。熟練したファンドマネージャーならば複数のモニターを同時に見て、判断することができます。

 

しかし、AIはもっと大量の情報を高速に分析することが可能です。つまり人間ではとてもできないことをAIはやってのけるということです。

「ビッグデータ」をもとに複数の数理モデルを作成

AIは、「ビッグデータ」と呼ばれる大量のデータを解析します。データの中身は、過去の株価データはもちろん、ニュースや財務指標などの公開情報、さらにツイッターなどのSNSのデータなどです。こうした情報をもとに複数の数理モデルを作成し、それらを同時並行で実行します。

 

そして各モデルの運用実績を考慮した優先順位付けをして運用戦略をまとめます。

 

こうしてまとまった運用戦略について、最後はリスク管理ソフトでチェックしてから、運用開始に踏み切るかどうかの意思決定をします。

本連載は、2017年12月18日刊行の書籍『AI化する銀行』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

AI化する銀行

AI化する銀行

長谷川 貴博

幻冬舎メディアコンサルティング

AIの導入によって日本の銀行が、そして銀行員の働き方が劇的に変化します。単純作業は真っ先にAIに切り替わり、早いスピードと高い精度で大量の業務がさばかれていきます。さらに、属人的な業務でさえも、AIが膨大なデータから…

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