AIを活用して好成績・・・代表的な「クオンツ・ファンド」の例

前回は、大物ファンドマネージャーが築いた「ヘッジファンド」の歴史を取り上げました。今回は、AIを活用して好成績を上げる「クオンツ・ファンド」の代表例を紹介します。

アメリカの老舗「ルネッサンス・テクノロジーズ」

このような厳しい状況で、好調な運用成績を上げているヘッジファンドが存在します。

 

金融工学を駆使した資産運用である「クオンツ運用」を主な戦略にしているヘッジファンドを、クオンツ・ファンドと呼びます。そのなかでもAIを活用しているファンドが、好成績を上げていることで注目されています。代表的なファンドを紹介しましょう。

 

①ルネッサンス・テクノロジーズ

 

アメリカの老舗クオンツ・ファンドです。ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学で数学教授を歴任し、幾何学で最高の栄誉とされているオズワルド・ヴェブレン賞を受けたジェームズ・シモンズが1988年に設立しました。シモンズは「最も賢い億万長者」と評されている人物です。

 

2008年には年率80%のリターンを記録し、2016年前半のリターンは13.8%でした。世界でトップレベルのAI研究者を集めていることでも有名です。

 

近年、ルネッサンス・テクノロジーズは日本市場でも存在感を増しています。2017年6月19日現在で日本企業52社の株を大量保有していると、同社は金融庁に報告しています。保有しているなかでもオンラインゲーム開発の「サイバーステップ」株は、2017年4~6月上昇率で日本株のなかで2位になり、過去1年の株価上昇率は1813%でした。

売買の最終的な意思決定もAIに一任・・・「ツーシグマ」

②ツーシグマ

 

同じくアメリカのクオンツ・ファンドです。1986年、16歳のときに国際数学オリンピックで銀メダルを獲得したジョン・オーバーデックが、その後AIによる投資マネジメントを思いつき、2001年に設立しました。

 

機械学習などさまざまな手法で値動きの兆候を読み取り、売買の最終的な意思決定もAIに任せているといわれています。

株式会社オメガ・パートナーズ 代表取締役社長

東北大学大学院理学研究科数学専攻修了、京都大学MBA(金融工学コース)修了。
大学院修了後、富士通株式会社に入社。
金融システム・エンジニアとして、銀行勘定系システム開発プロジェクト、および証券取引システム開発プロジェクトに参画。
その後、みずほフィナンシャルグループのクオンツ・アナリストに転身し、デリバティブ・ビジネスやリスク管理業務に従事。
株式会社Sound-Fの金融工学部門のマネージャーを経て2015年から現職。
近年では高度市場系金融システム開発プロジェクトへの参画や、金融業務向け人工知能開発、
ブロックチェーンを活用したインフラ構築ビジネスに従事している。

著者紹介

連載リテールサービスから機関投資家向けサービスまで…AIに置き換わる銀行業務とは?

本連載は、2017年12月18日刊行の書籍『AI化する銀行』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

AI化する銀行

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AIの導入によって日本の銀行が、そして銀行員の働き方が劇的に変化します。 単純作業は真っ先にAIに切り替わり、早いスピードと高い精度で大量の業務がさばかれていきます。 さらに、属人的な業務でさえも、AIが膨大なデータ…

 

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