今回は、家族信託の導入を考える際に知っておきたい、「税金」に関する基本知識を紹介します。※本連載では、司法書士みそら総合事務所代表・酒井俊行氏の著書、『わかりやすい家族への信託』(すばる舎)から一部を抜粋し、認知症の財務管理対策と相続対策の両方に効果を発揮する「家族信託」の基礎知識をレクチャーします。

基本的には、家族信託の利用自体に節税効果はない

税金については、実際に家族信託を導入する場面で必ず、税理士に確認を取りながら家族信託の設計を進めていく必要がありますが、家族信託の検討段階では、大まかなところを押さえておけば大丈夫です。

 

①基本的に家族信託を利用すること自体に節税効果はない

 

②家族信託の対象とした財産も、相続税の対象となる

 

③家族信託を利用しても、相続税申告の際の特例は利用可能

 

④委託者と受益者を別の人物にしてしまうと贈与税がかかる

 

⑤委託者と受益者が同一人物であれば、贈与税がかからない

 

⑥受益者が変更されると変更理由に応じた税金(相続税、贈与税など)がかかる

 

⑦税務上、受益者が信託財産の所有者として課税される

 

⑧信託財産と信託してない財産の間で損益通算ができない

 

⑨信託契約を複数に分けた場合、契約を超えた損益通算ができない

検討する際の判断材料となる、3つのポイント

このように、

 

●税務上、課税されるのは受益者であること

 

●受益者が変わると贈与税や相続税などが課税されること

 

●損益通算ができないこと

 

を押さえておけば、家族信託を検討する際の判断材料としては十分です。

わかりやすい家族への信託

わかりやすい家族への信託

酒井 俊行

すばる舎

◎相続の前に、老後の生活をいかにサポートできるかが最も重要 ◎相談に行く前の基本知識 「家族信託ってどんなもの?」という疑問に、スッキリわかりやすく答える本 ◎家族のストーリーをもとに、「家族信託」の検討から設計…

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