損益計算書は「アウトライン」で見る
損益計算書とは、会社の1年間の業績を表します。3月決算の会社は、毎年4月1日から3月31日までの売り上げや経費を集計した表ですから、翌年の4月1日には、売り上げも経費もゼロから始まります。
まず、あなたの会社の決算書の損益計算書を見てください。一番金額の大きい売上高は1行だけ、多くても3行程度でしょう。それに比べて費用のほうは、金額の大小に関係なく20行も30行も勘定科目があることに気づかれると思います。
会計というのはまったく不思議なのですが、一番金額が大きくて、一番大切な売上高をひとくくりにしてしまって、支出として出ていくほうの費用を一生懸命細分化しています。
人間というのは、項目数の多いほうに自然と注意を引かれますから、全体の数字からすれば、1%にも満たない項目にばかり目がいってしまい、儲からない根本原因を野放しにしてしまうという現象が起きるわけです。損益計算書はまず、下記の図表のようにアウトラインで見るクセをつけなければいけません。
[図表]変動損益計算書
まずは固定費と変動費に分類
まず、費用のうち、売上高が倍になったら基本的に倍になるような費用を変動費(商品の仕入れや材料の仕入れ、外注費、製造業の工場消耗品など)、それ以外の費用を固定費(大きく人件費とその他の固定費)に分類します。
売上高から変動費を差し引いた金額を粗利益(限界利益ともいう)といいますが、粗利益から人件費、その他の固定費を払いますから、残れば黒字、残らなければ赤字というわけです。