今回は、配偶者に「別居期間中の生活費」を請求できるのか見ていきます。※本連載は、離婚カウンセラーとして多数の離婚問題を解決してきた、岡野あつこ氏の執筆、弁護士・柳田康男氏/弁護士・山下環氏監修の『最新 離婚の準備・手続き・進め方のすべて』(日本文芸社)の中から一部を抜粋し、離婚で生じるお金の問題を見ていきます。

別居の理由によっては、生活費の一部を請求できる

婚姻費用分担については第1回でお話しした通り、別居すれば相手の生活費の面倒を見なくてよいというものではありません。離婚問題が起き、夫が生活費を入れなくなったことで、あるいは冷却期間を置くために、あるいは夫からの暴力を避けるために別居することがあります。このような場合の生活費の一部を「婚姻費用」として請求できます。

 

したがって、一方に収入がない場合などは、他方は婚姻費用の分担として生活費などを負担することになりますが、破綻の程度、別居ないし破綻に至った有責性の程度に応じて、減額されることもあります。

 

【婚姻費用の分担請求】

相手が生活費をくれないときに行なう家庭裁判所への申立て子どもの生活費については、子どもに対する義務として理由を問わず、生活保持できる程度を支払わなければなりません。

 

また、一方が異性のところに入り浸って生活費をよこさないという場合には、双方の収入に応じて裁判所が相当と認める婚姻費用の請求が認められます。ただし、一方が不貞行為をして別居しておきながら生活費の請求をするというように、請求者に一方的に責任がある場合には、請求は認められないこともあります。

申し立てた月からの分がもらえるため、早い行動が得策

ADVICE

婚姻費用の分担請求は一般的に申立てたその月からの分が決定後まとめてもらえるので、早く行動するのが得策。

 

[図表]婚姻費用として支払われる生活費

最新 離婚の準備・手続き・進め方のすべて

最新 離婚の準備・手続き・進め方のすべて

岡野 あつこ 著、柳田 康男・山下 環 監修

日本文芸社

離婚カウンセラー、夫婦問題研究家として26年間、約3万件の相談実績のある著者が実例をまじえ、離婚に関する、知っておきたいことすべてを具体的に解説。お金の問題、子どものこと、法律知識をわかりやすくアドバイスする。

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