社長の奥さんに「会社の経理」を任せないほうがいい理由

今回は、社長の奥さんに「会社の経理」を任せないほうがいい理由を見ていきます。※本連載では、株式会社エッサム編集協力、株式会社古田経営・常務取締役の飯島彰仁氏、会計事務所経営支援塾の著書『9割が結果を出す! 小さな会社の脱零細マニュアル』(あさ出版)から一部を抜粋し、小さな会社が「脱零細企業」となるために必要な改善ポイントをレクチャーしていきます。

「家庭の経理」と「会社の経理」は異なる面が多い

典型的な家族経営で留意したいのは、「社長の奥さんが経理を担当している」状態です。一般的には、奥さんが財布のヒモをしっかり締め、家計をしっかりやっている夫婦・家庭は円満なものです。その感覚を経営に活かせば、社長である夫は無茶をせず、堅実な経営ができるようにもなるでしょう。

 

ですから、経理を社長の奥さんが担当している状態を真っ向から全否定するつもりはありません。

 

しかし、社長であれば、「本当にそのままでよいのだろうか?」と一度自ら問い直してみる必要もあります。

 

家庭の経理=家計と、会社の経理=会計とは異なる面が多々あります。一言でいうと、次のようになります。

 

•家計=入ってきたお金をやりくりすること

 

•会計=入ってくるお金をやりくりすること

 

家計でお金をやりくりする、つまり家計に入ってきた収入を貯金も含めて生活でどのように使うかを考えることを「家計脳」、どうやってお金を生み出すか(稼ぐか)から考えることを「会計脳」と考えてみましょう。

 

いずれにせよ、めざすのは「脱零細」です。そのためには、生産や販売の管理に中小企業に対応したPDCA(※詳しくは書籍 第3章を参照)を導入し、スパイラル・アップさせてサイクルを回していくことが必要です。

 

「家計脳」の奥さんが、事業の成長の足かせに!?

このことは資金管理についても同様です。そのとき重要なのは、入ってきたお金でどうやりくりしていくか以上に、

「お金の入ってくる筋道をどう差配していくか」

です。これこそが会計脳で考えるということです。たとえば、

 

•お金を生むために、設備や人材などにどう投資していくか

 

•その投資を回収し、さらに利益を生むための筋道をどう立てていくか

 

と考えることになります。つまり、これらは入ってきたお金を前提に考える家計脳では対応できない、いわば質の違う話といえます。

 

極端にいうと、

 

「しっかり者の妻が家計も会社の経理もしっかりとやっています!」

 

と社長がいうくらいなら、奥さんには別の仕事についてもらって、社長夫婦の家計の収入源を2本立てにしてもらったほうが、家庭は安定し、社長は経営に一直線に打ち込むことができるでしょう。

 

なお、このことは奥さんが社長で夫が経理を担当しているような場合も同様です。家計脳と会計脳では考え方が異なるのに同じものと考え、しかも、会社のお金を家計に融通しているとなれば、それも公私混同の悪しき面が現れているということになります。

 

奥さんが経理を担当することをやめたほうがいい理由がもう一つあります。家計脳と会計脳を切り離して考えることに関連して、奥さんは「社長である夫がやりたいことを止める」存在であるということです。

 

奥さんはつい家計脳で考え、社長である夫の行為を〝ムダづかい〟といったように考えてしまうキライがあります。

 

一概に断定できることではないので、奥さんがこうした考え方をしがちなことを絶対によくないといいきるつもりはありません。なかには奥さんにストップをかけられたことで〝命拾い〟をした経験のある社長もいるはずです。しかし、事業の成長は一定の資金を投入して、それを活かすことで実現するもの。常にリスクをともなうものです。

 

そのとき、奥さんがストップをかけ、家計脳で財布のヒモを放さなかったら、実現するものも実現しません。それは何としても避けたいところです。

株式会社古田土経営 常務取締役

2005年に古田土会計公認会計士・税理士事務所(現・税理士法人古田土会計)に入所。現在は、同法人含むグループ企業の株式会社古田土経営の常務取締役を務める。経営計画と月次決算を主力商品とする古田土会計グループにおいて、営業活動することなく年間100〜150社の新規開拓をするスキームをつくり上げ、現在約2,300社の中小企業を指導。そのうち黒字率85.8%を実現している(日本企業の黒字率32.1%、平成27年度、国税庁調べ)。また、同ノウハウを同業者である会計事務所にも提供する会計事務所経営支援塾を運営する。

著者紹介

林徹税理士事務所/株式会社林総合税経 税理士・未来会計コンサルタント

平成17年税理士登録後、林徹税理士事務所及び株式会社林総合税経を設立。

著者紹介

望月経営会計事務所 経済産業省認定支援機関・経営コンサルタント・税理士
創業・ベンチャー支援センター埼玉 開業アドバイザー

平成20 年税理士登録後、望月経営会計事務所を開業。起業前から小さくても強い会社を作るコンサルティングを行い、起業前、起業後をトータルにサポート。

著者紹介

税理士法人新日本経営 代表税理士

会計事務所及び事業再生コンサルティング会社に所属後、平成19年、新日本経営会計事務所開設。平成20年より埼玉県再生支援協議会専門アドバイザーとして活躍する。税理士法人新日本経営は、会計・税務はもちろんのこと、金融機関に強い税理士が、顧問先の「黒字化支援」、「融資・銀行対策」、「経営改善・事業承継」等の経営問題に積極的に取り組んでいる。

著者紹介

西藤友美子税理士事務所 税理士・事務所所長

2002年、千葉県税理士会に税理士登録し、2005年、西藤友美子税理士事務所開設。事務所自ら、組織を活性化させ、経営を実践し①売上、②組織の成長を実現し、①未来会計、②資金調達支援、③経営コンサルで経営者のビジョンを実現。

著者紹介

リアン総合事務所 税理士・キャッシュフローコーチ®・SP融資コンサルタント®

大学卒業後、信託銀行に就職したが、金融ビックバンによる銀行の再編成を機に退職。退職後、税理士だった祖父への憧れから会計事務所で働きながら税理士資格の取得に励む。
苦節18年の歳月を要したのち合格し、念願の独立を果たす。

著者紹介

吉田一仁税理士事務所 ファイナンシャルコーチ®・税理士

大学卒業後、渋谷の大手会計事務所に4年半勤務し、税理士としての実務を積む。2005年1月、「吉田一仁税理士事務所」を開業。中小零細企業の社外CFO(財務幹部)として、「資金調達・資金繰りサポート」でお金を確保し、シンプルでわかりやすい「お金の見える化」でお金をコントロールし、成果の出る「経営コンサルティング」でお金を生み出すサポートをしつつ、経営者の意思決定を正しい方向に導くファイナンシャルコーチ®。

著者紹介

株式会社エム・エス・コンサルティング/公認会計士・税理士山口学事務所 公認会計士・税理士・AFP

1981年11月~1987年12月 、プライス・ウォーターハウス公認会計士共同事務所および監査法人朝日新和会計社(現、あずさ監査法人)に勤務。1988年1月 、公認会計士・税理士山口学事務所を開設。経営者の夢を将来ビジョンとして明確にし、そこに至る道筋を経営計画としてまとめ、会計情報を経営に活かして、「脱・公私混同」+「中小企業版PDCA」でゴールを目指す。

著者紹介

さくらみらいマネジメント株式会社/税理士法人さくらみらい国際会計事務所 公認会計士・税理士

夢ある未来の実現のために、経営計画書と月次決算書で中小企業の底力を高める会計事務所として経営支援を行う。

著者紹介

税理法人浜松合同会計わたなべ事務所 キャッシュフローコーチ ®・税理士

「数字だけ見ても分からない。思いだけ でも社員は動いてくれない。」と悩む、中小企業の経営者、幹部の方に『お金のモ ヤモヤと、人のイライラをスッキリさせる、脱・ドンブリ経営のすすめ方』をアドバイス。

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多和田会計事務所 代表税理士

2002 年、税理士登録後、多和田会計事務所を開業。脱・零細企業に向けて、「経営計画」「未来会計」に力を注ぎ、経営者のベストパートナーとして共に事業の発展に取り組んでいる。

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笠井永寿会計事務所 税理士

平成21 年税理士登録後、笠井永寿会計事務所を開業。利益を出す仕組みとして、経営計画書の作成を指導、作成した経営計画書に基づき月次決算を行い、次の対策をお客様と検討している。

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櫻井孝志税理士事務所 税理士

中小企業・零細企業や個人事業主のメリットは、歯車ではない、転勤がない、定年がない。デメリットは、収入が少ない、福利厚生がない、マニュアルや研修制度がない。働き甲斐のある仕事について、収入が付いてくればよいと考え、中小企業にふさわしいPDCA サイクルの回し方を指南。

著者紹介

西川税理士事務所 税理士

「日本の中小零細企業を強くする」をモットーに、他とは違う超豊富な月次資料で説明。多様な提案も積極的に行っている。

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岡本剛税理士事務所 税理士・経営計画コンサルタント・PDCA コンサルタント

平成6年4月岩水明税理士事務所に入社。平成25年2月 岡本剛税理士事務所開業。大阪市北区の南森町から経営をフルサポート。うまくいく会社・社長がいなくてもスタッフが自ら動く会社のPDCA ( 仕組み) を作りもサポート。

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竹内総合会計事務所 所長・税理士・中小企業診断士・行政書士

ヤンマーディーゼル(株)に入社し原価計算・経理業務に従事した後、大手会計事務所に入所し税務部長として中小企業の財務・税務・資金繰り指導に従事。その後、平成9年マーケティング系コンサルタント会社に入社するとともに同年会計事務所を設立し所長に就任。平成15年1月、竹内総合会計事務所として独立。経営サポート内容:経営診断による問題・課題の整理→経営計画による経営目標の策定→月次決算検討会による進捗確認→人事評価による全員経営の実現。

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進藤税理士事務所 税理士・TP_I(税務調査士)・所長

2000 年に神戸市中央区において進藤税理士事務所を開業。本年で開業18 年目。零細企業を中小企業へと成長して頂くために経営者とともに経営改善に取り組む。

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佐々木会計事務所 ちいさな会社の経営参謀・税理士

公認会計士・税理士として、中小会社300 社以上の経営指導を行ってきた実績を生かし、ちいさな会社、零細企業を経営と財務の両面からサポート。150 年先まで成功し続ける強い会社へと導く。

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金崎浩税理士事務所 税理士・行政書士・IT コーディネーター・ビジネスモデルデザイナー

1997年税務署退職、2002年税理士事務所を独立開業。いかにして未来に活力を与えられるかを念頭において、起業家の減少が歩止まりし増えていけるよう、経営者とともに進む。

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加藤太一会計事務所 経営計画コンサルタント・公認会計士・税理士

代表の加藤太一氏が大手監査法人に勤務後、地元の北九州で開業。儲かる会社はどう動いているか、その様々な手法を、そのやり方をまだ知らない経営者に伝え、中小企業を元氣にすることを使命にサポート。

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坂元公認会計士・税理士事務所 公認会計士・税理士

経営数字を使って社長とともにワクワクする未来を創る経営支援会計事務所として活動。漠然としたお金の悩みや社員との立場の違いからくる危機感のズレやギャップを次の2つのツールで緒に解消することを目指す。
● お金の稼ぎ方や残し方がわかる「月次決算書」
● 社員とビジョンを共有できる「経営計画書」

著者紹介

ちとせ会計事務所 所長税理士

平成6年4月クラヤ薬品(株)(現在の(株)メディセオ)に入社。病院・診療所営業担当(MS)として医薬品及び医療機器の販売を行う。平成8年6月税理士・不動産鑑定士事務所に入所。平成24年8月税理士・不動産鑑定士事務所の所長の死去により独立を決意、平成25年2月ちとせ会計事務所を開設し現在に至る。

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川代会計事務所 税理士

生前対策で節税、納税資金の確保、円滑な財産分割及び事業承継などをサポート。

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飯田隆一郎税理士事務所 税理士

月次決算書と経営計画書、月次会議で、中小企業の社長を全力でサポートしている会計事務所。どうすれば利益が出て、お金が残るかを一緒に考え、毎月のチェックで計画と実績の差を確認し、対策を考え、社長の夢の実現をめざす。

著者紹介

伊藤由美子税理士事務所 税理士・未来会計コンサルタント・経営計画コンサルタント

平成元年5月公認会計士事務所入所。平成7年12月税理士試験合格(税法:法人税、相続税、所得税)、平成8年8月税理士登録。平成9年4月税理士事務所開業平成9年7月TKC全国会入会。

著者紹介

連載「脱零細企業」を実現するための「経営カイゼン」マニュアル

 

 

9割が結果を出す! 小さな会社の脱零細マニュアル

9割が結果を出す! 小さな会社の脱零細マニュアル

飯島 彰仁,林 徹,望月 由美子,竹内 武泰,西藤 友美子,鈴木 丈彦,吉田 茂治,川代 政和,吉田 一仁,山口 学,舟生 俊博,鈴木 崇之,飯田 隆一郎,多和田 裕,笠井 永寿,伊藤 由美子,櫻井 孝志,西川 弘晃,岡本 剛,竹内 友章,進藤 和郎,佐々木 輝雄,金崎 浩,加藤 太一,坂元 隆一郎

あさ出版

社員10人以下の会社の今日からできる経営カイゼン。 小さな会社が零細と呼ばれる状況を脱し、 成長し続けるための必須ノウハウを 経験豊富な著者陣がわかりやすく解説します。

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