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不動産取得税、訴訟費用・・・「取得費」に含まれる費用は?

今回は、「取得費」として認められる費用について見ていきます。※本連載は、税理士の松本繁雄氏の著書、『資産税の実務 不動産の取得・譲渡・賃貸と税金』(経済法令研究会)の中から一部を抜粋し、土地・建物の譲渡により発生する「譲渡所得」の計算方法や課税方法などについて解説します。

取得費への計上ができない「自家労賃」

前回の続きです。

 

3.自分で建設した資産

 

自分で建設、製作、製造した資産の取得費は、次の費用の合計額で計算します。

 

①建設に要した原材料費、労務費、経費

②登録免許税、登録手数料、不動産取得税

③その資産を業務の用に供するために直接要した費用

 

なお、労賃には自家労賃を含みませんので、自己の労賃を見積ってこれを取得費に計上することはできません。

「遺産分割」の際に支出した費用は含まれない

4.その他取得費に含まれるもの

 

以上のほか、次の費用も取得費に含めることができます。

 

①住宅や工場などの敷地を造成するために要した宅地造成費用は、土地の取得価額に加算します。

 

②所有権などの帰属について争いのある資産について、その所有権などを確保するために直接要した訴訟費用や和解費用は、取得費に加算します(所基通38-2)。

 

なお、遺産分割の際に支出した訴訟費用、弁護士費用、税理士費用などは、相続人間の紛争を解決するための費用であって、相続に際して通常支出される費用ではありませんので、取得費には加算されません。

 

③建物付きで土地等を取得し、その取得後おおむね1年以内にその建物を取り壊すなど、当初からその土地の利用を目的としている場合には、その建物の取壊し損失額(その建物の取得価額と取壊しに要した費用との合計額から廃材などの処分価額を差し引いた金額)を土地の取得価額に加算します(所基通38-1)。

 

④固定資産の取得のために借り入れた資金の利子のうち、その固定資産の使用開始の日(注)までの期間に対応する部分の金額は、取得費に加算できます。ただし、すでに事業所得などの所得金額の計算上必要経費に算入したものは除かれます。なお、資産の取得後その資産を使用しないで譲渡した場合には、譲渡日までに支払った利子をすべて取得価額に含めることができます(所基通38-8)。

 

(注)「使用開始の日」とは、次の日をいいます(所基通38-8の2)。

①土地については、その使用状況に応じ、それぞれ次に定める日

㋑新たに建物、構築物等の敷地の用に供するものは、その建物、構築物等を居住の用、または事業の用に供した日

すでに建物、構築物等の存するものは、その建物、構築物等を居住の用、または事業の用に供した日

建物、構築物等の施設を要しないものは、そのものの本来の目的のための使用を開始した日

②建物、構築物ならびに機械、装置については、そのものの本来の目的のための使用を開始した日

③書画、骨とう、美術工芸品などその資産の性質上取得の時が使用開始の時であると認められる資産については、その取得の日

 

また、固定資産を取得するための資金を借り入れる際に支出した公正証書作成費用、抵当権設定登記費用、その他の費用で通常必要と認められるものについても、これに準じて取り扱われます。

昭和30年早稲田大学政治経済学部卒業。
農林中央金庫勤務を経て、昭和50年税理士試験合格、税理士登録。

著者紹介

連載土地・建物の譲渡――譲渡所得の計算方法と税額計算

本連載は、2017年7月6日刊行の書籍『資産税の実務 不動産の取得・譲渡・賃貸と税金』(経済法令研究会)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

資産税の実務 不動産の取得・譲渡・賃貸と税金

資産税の実務 不動産の取得・譲渡・賃貸と税金

松本 繁雄

経済法令研究会

●平成29年度の税制改正に対応した最新版 ●日常の相談業務、窓口業務を展開するうえで必要な所得税の全てを網羅 ●随所に「申告書への記入」欄を設け、申告書の記入方法を具体的に解説 ●相談業務を展開するうえでの実務書…

 

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