地方には「物件を現金化したい」高齢オーナーが多い
「なぜ都心よりも地方がおすすめなのか」という理由を掘り下げます。
そもそも、地方で人気のエリアを見つけたとして、物件が売りに出る背景はどのようになっているのでしょうか。
多いのは現オーナーが高齢で、「売却して現金化したい」と業者に相談するパターンです。
物件を管理して毎月家賃をもらうにしても、気力体力が続かなくなります。物件も古くなっていけば修繕費がかさみます。
そういった状況に疲れてしまって売却を決断するのです。そういったケースでは、瑕疵担保免責(かしたんぽめんせき)で業者に買い取ってもらい、数年分の家賃を一括で手に入れることを選ぶオーナーも多いようです。
瑕疵担保責任というのは、売却した物件に瑕疵(重大な欠陥)があった場合に、売主はその責任を取らなくてはいけないという制度です。瑕疵担保免責で買い取ってもらうと、瑕疵担保責任も業者側に移ります。
プロである業者なら、そういったリスクも含めて買い取ることができるのです。
オーナーの高齢化による資産整理以外では、相続に絡んだ案件も多くあります。地方の地主には、相続税を納めるために急いで現金化したい、地元の親戚には分からない形で売却したい、といった事情が生じることがあるからです。
こういった背景で売りに出た地方物件の情報が、東京の不動産会社に集まってくるのです。
物件を購入可能な地元の人は「極端に少ない」
地方の物件がおすすめなもう一つの理由は、そもそも地元の人で物件を買える人が極端に少ないということです。もちろん、地元で物件を買い求める投資家もいますが、絶対数が少ないのが実情です。
例えば利回りが満室想定で12%の、中古RC物件が1億円で売りに出たとします。
地方の銀行は保守的なので融資に積極的ではないところが大半です。購入者の年収も東京で働く人と比べるとそこまで高くない人が多く、そのため融資が伸びないという事情があります。