営業が成功した際の「コンテンツ使用方法」を振り返る
コンテンツ自体が利用しやすく、かつコンテンツを掲載しやすくなっているITシステムの活用によって、営業担当の訪問前の学習時のログ、訪問時の行動履歴や顧客の反応を記録したログ、さらには訪問時に顧客から得られた意見や考えなどのデジタルデータの蓄積が進みます。
企業のサーバにはタブレット端末からその経過のデータが転送され、100人いれば100人が一人ひとりどのように学習し、相手にアプローチしたかが時々刻々と更新されていきます。
いつ誰に会って何の説明をしたときに、タブレット端末の中にあるどの資料の何ページ目を何秒話をしたかの記録があり、このスライドの次には何を使ったか、コンテンツは何を参照したかを顧客別の履歴から把握できます。
この訪問時のログでは、まず担当者本人も訪問先でしたことの振り返りがより細かく行えるようになります。ほかの営業担当が成功したときのコンテンツの使い方や、説明の手順を参照することもできます。
営業報告や営業会議の場で事例報告や進捗状況の確認をする会社が多いと思いますが、営業担当者の記憶やメモだけでなくログデータを使うと、より客観的に、かつ細かく事例の確認ができます。成功事例は精緻であるほど理解しやすく、応用がしやすいものです。
営業部門のマネージャーが、担当者に同行する時間が時代とともに減っているように思います。その代わりにログデータをもとにして、どこでこの資料を見せたのか、どんな話をしたのかという履歴を見ながらアドバイスをしてもよいでしょう。
営業担当者への「教材」としても活用可能
また訪問先に行っていない時間に、スライドやコンテンツを見ながら自分で学習した記録も残るので、その時間を見て担当者が何を熱心に勉強しているかも把握でき、教育担当者が全社の教育をどの方向に進めるかを検討するためのデータとなります。
ウェブページでは、見に来た人がそれぞれどのぐらいの時間滞在し、その間にどのページを見て次に何をしたかを記録しています。マーケティングオートメーションなどでは、そのデータを解析して利用しています。
同じように、すべてのタブレットのログがサーバにどんどん蓄積されていくと、このコンテンツはこう使われているが、この段階で使うといいとか、この順番で説明すると後のプロセスが早く進みクロージングにつながりやすいといった傾向が見えてきます。これは蓄積されたログが営業ビッグデータになることを意味します。